歌手・俳優の佐川満男さん死去 元妻・伊東ゆかり「また娘と3人で歌いたかった」と悼む 遺作映画の監督も追悼コメント
大ヒット曲「今は幸せかい」や、NHK連続テレビ小説「おちょやん」「カムカムエヴリバディ」などの出演で知られる歌手で俳優の佐川満男さんが、12日に胆のう炎のため84歳で死去していたことが20日、分かった。元妻の歌手・伊東ゆかりが同日、追悼コメントを発表した。
伊東は所属事務所を通じ「同じ時代を生き抜いた歌手として、楽しい思い出がいっぱいあります。できればまた、娘と3人で歌いたかった。残念です。佐川満男さんお疲れ様でした。ご冥福をお祈り申し上げます」とコメント。2人の間に誕生した長女・宙美は2007年に歌手としてデビューし、現在も伊東とともにコンサートに出演するなど活動している。
また佐川さんは、現在公開中の映画「あまろっく」にも出演。同作の公式X(旧ツイッター)でも佐川さんの訃報を伝え、メガホンを取った中村和宏監督の追悼コメントを掲載した。
中村監督は「映画『あまろっく』が全国公開され、多くの皆様にご覧いただいている中、とても悲しい出来事がありました。本作で鉄蔵役を好演していただいた、私にとっては恩師でもある名優 佐川満男さんが、4月12日にこの世を去られました。奇しくも先行上映初日でした」と報告。「今回、佐川さんにこの映画のオファーをした際、初めはご自身の高齢を理由に謙虚にお断りされましたが、最終的には『これを最後の仕事にする』という決意を示してくださいました」と秘話を明かした。
中村監督はさらに「佐川さんの献身と情熱は、撮影中も変わることがなく、彼のプロフェッショナリズムと温かな人柄は、キャスト、スタッフ全員にとって大きな支えとなりました」と回想。「佐川さんが遺された作品(映像 音楽 絵画)を通じて、彼の芸術に対する愛と情熱をこれからも多くの人々に伝え続けていくことが、私たちの使命だと信じています」とし、「映画「あまろっく」の公開が、佐川さんへの最もふさわしい追悼となるよう、心より願っております。皆さまには、彼の遺作を心ゆくまでお楽しみいただければ幸いです」と呼びかけた。
所属事務所によると、佐川さんは昨年行われた同作の撮影中から体調不良を訴えており、今年3月から入院していたが、容体が急変し、12日に死去した。同作の関係者には、19日の公開初日を終えるまで訃報は伝えられていなかったという。