中央選挙管理会が２５日、選挙会を開き、１９年７月に行われた参院選の旧立憲民主党比例代表名簿に基づき、次点だったアイドルグループ・モーニング娘。元メンバーのタレント市井紗耶香（４０）の繰り上げ当選を決めた。

　須藤元気氏（４６）が衆院東京１５区補選に立候補し、参院議員を自動失職したことに伴う。２６日午前に当選が告知され、同日付で参院議員となる。１９年の参院選で、旧立憲民主党は全国比例で８議席を得た。当選した須藤氏は名簿順８位、市井は９位次点だった。

　市井はＳＮＳなどで「今回の当選については辞退することにいたしました」と表明していたが、辞退できなかった。

　旧立憲民主党は２０年９月に解党。同月に、現在の立憲民主党が結成された。１９年参院選当時の旧立民は党として存在しないため、現在の立民が比例名簿から市井を削除することができず、本人の意思も反映されなかった。

　政治活動引退を宣言している市井が参院議員を辞職するには形式上、参院議長に辞職願を提出し、本会議で許可を得る必要がある。早ければ２６日にも即辞職が認められるが、議員在職１日あたり歳費と調査研究広報滞在費を合わせて７万６４６６円が支給される。

　立民の泉健太代表（４９）は１９日、国会内での会見で「今の制度では存続政党がない場合、いくら本人の意思があっても（辞退）できない。本人自身に、決定権がなければいけないのではないか」と、制度的な問題を指摘していた。

　市井氏が辞職すれば、比例名簿の次々点でアカペラグループ・ＲＡＧ　ＦＡＩＲのメンバーとして活躍していた奥村政佳氏（４６）が繰り上げ当選する見込みだ。