俳優の北村匠海が、２０２５年前期の連続テレビ小説「あんぱん」でヒロイン・朝田のぶの夫で漫画家・やなせたかしさんをモデルにした柳井嵩（やない・たかし）を演じることが２６日、発表された。この日、発表会見が行われ、主演の今田美桜と登壇した。

　高知県の小学校時代に出会った、のちのやなせさん夫婦が逆境を乗り越えながら「アンパンマン」を世に送り出すまでを描く１１２作目の朝ドラ。北村は「なつぞら」のオーディションに落選した過去を明かし「朝という時間に僕の顔は合わないのではないかと思っていたんですけど」と冗談めかしつつ「一つの役、作品と向き合い続け、全うすることをしていけたらと思います」と意気込んだ。

　キャスティングの決め手は、ボーカルとして活動するバンド・ＤＩＳＨ／／でのＭＣだったという。「１０分後に命を落とすかもしれない。だからこそ、今をどう生きるか」と語りかける姿を見た制作統括の倉崎憲氏は、戦争を経験したやなせさんの死生観に近いものを感じたと説明。ヒロイン決定前から北村をやなせさん役として念頭に置き、ヒロインオーディションを実施中だった昨秋には話し合いの場を作ったという。

　現在はやなせさんの著書を読むなど役作りをしている段階。今秋のクランクイン前には、やなせさんの故郷・高知県にある、お墓やアンパンマンミュージアムを訪れる予定だ。劇中では、少なくとも１０代から絵本「あんぱんまん」を世に投じる５０代までを演じるという。

　今田とは映画「東京リベンジャーズ」でカップルを演じるなど共演６度目と縁が深い。本作での共演を知らされる前の年明けには仕事先のパリでばったり会ったと明かし、北村は「縁を感じています。現場でもひまわりのような方。『あんぱん』で夫婦をやれるってことで助けてもらう瞬間も数え切れないくらいあると思いますし、すごく安心しました」と信頼を口にした。