【山田美保子のミホコは見ていた!】大物芸能人の独立が止まらない 覚悟の暗黙ルールは過去か 潮目変わった

 今年の3月、4月は有名芸能人の独立が相次いだ。数年前、米倉涼子や菊池桃子、神田うのらデビュー当時から所属し、事務所の看板でもあったタレントたちの退社や独立が話題になったし、昨年は旧ジャニーズ事務所から人気アイドルが続々退所したことも大きなニュースになった。

 果たして今春は、佐々木蔵之介、多部未華子、吉岡里帆ら、ドラマやテレビCMで見ない日がないような大物たちが続々独立。年度が替わり、少し落ち着いたかと思いきや、昨日は関口メンディーや水沢エレナの事務所退社のニュースがヤフトピに上がった。数日前には、かねてから独立の噂があった氷川きよしが、ついに独立を発表した。

 これだけの大人数が短い期間に新たな船出を決めたというのは過去に記憶がない。しかも今回の“独立ブーム”には、エージェント契約とマネージャー契約の“いいとこ取り”を選ぶタレントが目立つSTARTO ENTERTAINMENTのようなケースもあれば、多くの人気タレントを抱えていたプロダクションが倒産するという異例の事態も……。それぞれの独立劇が決して似通ってはいない、“多様性の時代”ならではの退社と言えるだろう。

 数年前から「変わりゆく日本の芸能界」はマスコミ関係者のみならず、一般の方たちも感じていたことと思う。昔は事務所から独立したら少なくとも半年、長ければ数年間は干されることが暗黙のルールになっていて、独立した本人もそれを覚悟で飛び出したものだ。が、これは鈴木おさむ氏が言っていたことだが、いわゆるSMAP騒動をきっかけに芸能界は徐々に変わっていき、所属タレントたちの想いや意向にも変化が出てきた。

 SMAPの解散から今年でもう8年。「新しい地図」の稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾の姿は地上波のテレビで頻繁に見られるように……。4月30日には稲垣出演の連続ドラマ「燕は戻ってこない」(NHK)がスタートしたし、草彅主演の映画「碁盤斬り」の完成披露試写会の模様は長尺でワイドショーがオンエア。香取の個展「WHO AM I」の累計来場者数が23万人を突破したニュースも記憶に新しい。

 そんな彼らも3人で、文字通り“地図”を広げて新たな航海に出た頃は不安でたまらなかったと異口同音に話している。だが、彼らのその後の活動と、たとえば草彅が3年前、「ミッドナイトスワン」の演技が評価され、「第44回 日本アカデミー賞」で最優秀主演男優賞を獲得したあたりから、潮目は明らかに変わったと言えよう。

 昔ながらの日本の芸能界が悪いことばかりだったわけではないし、老舗や大手の芸能プロダクションのやり方が100%否定されることも、もちろん、ない。

 ただ、所属タレントたちのマインドや芸能界の流れが変わっていることは間違いないのである。

 所属して間もないタレントが「自分でやれる」と“勘違い”して事務所を出て行くケースとは異なり、今春の独立パターンは、長年、事務所と良好なタッグを組み続け、結果を残してきたタレントたちによる決断。だからこそ事務所もそれに理解を示し、温かく送り出すパターンが目立つ。

 とは言え、独立の報せに驚く芸能マスコミは少なくなく、だからこそ大きなニュースになっているのだけれど、一つ言えるのは、独立が原因で仕事が減らされることにはならないだろう…という事実だ。

 独立や退社という決断をしたタレントたちに明るい未来が待っていることを信じている。

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