内田也哉子、母・樹木希林さんの看取りを語る 最期に「ありがとうと。ゆっくり3回」
エッセイスト、女優の内田也哉子が8日、NHK「あさイチ」で、18年9月に亡くなった母・樹木希林さんの最後の看取りを振り返った。
この日の番組テーマは「親を家で看取る その日のために」と題し、介護の最後にある親の看取りを取り上げた。
その中で母の希林さんを自宅で看取った内田が番組のインタビューに応じ、希林さんの最後の様子を明かした。
内田は「頭のどこかで必ず家に帰してあげたい」と思っていたというが、全身にがんが転移し、さまざまな症状が出ていたことから「どうやってこの状況から家に連れて帰れるんだろうと。とても現実的に思えなかった」という。
だがそんなとき、希林さんから「そろそろ家に帰りましょう」と言われ覚悟が決まった。主治医からも「このタイミングを逃したら自宅に帰るのは難しい」と言われ、内田は「本人が、今帰ろうと思っていることにかけようと。本当に大きなかけだった」と、すぐに自宅を整えて母を迎え入れたという。
自宅に戻った希林さんは筆談で「私に気を遣い過ぎないで。家族も医療の方もそれぞれがケアしやすいように」とメッセージを送っていたといい、内田も「最期の最期まで周りが気になっちゃう性格なんだね」と家族で笑い合ったという。
その日の夜、内田は母から「小さな声でしたが、ありがとうと。ゆっくり3回続けて言った。まるで終わりみたいだからやめてよって言って、明日も頑張らないと行けないからお休みって(二階に)上がったら、その数時間後でしたね」と容体が悪化。
すぐに離れて暮らす父・内田裕也さんに電話。裕也さんは電話越しで必死に希林さんに呼びかけていたといい、「その瞬間、意識は遠のいていたが、孫の手をものすごい握力で握って。息子がビックリして。全部聞こえてるよって。皆で同じ空気を共有できた」と振り返った。
家で最期を看取ったことには「運良く、ほんの最期の瞬間でしたが願いを叶えられた。その点においては自宅で看取れたことの良さを噛み締めています。もう家に帰ろうと言ってくれなかったら、私はあのままずっと入院を続けていたと思う。母がちゃんと自分の願いを言葉にして伝えてくれて本当に良かった」とも話していた。