キダ・タローさん、最後の顔「ちょっとやせて、男前やった」と社長の円広志 焼香なし、軽快名曲で別れ
歌手でタレントの円広志が16日、大阪市内で取材に応じ、14日に93歳で亡くなったキダ・タローさんを追悼した。キダさんは22年から円の個人事務所に所属。円が社長を務める関連会社のタレントとして「うちでひきとった」といい、公私で付き合いがあった。「火曜日(14日)の朝にね、電話がありまして。何日か前から、もうだいぶ体調は悪かった。奥様とはずっと話していたし、ある程度は覚悟していた」と、無念そうに語った。
キダさんは3月29日に最高顧問を務めるABCの「探偵ナイトスクープ」の収録に参加。その後、転倒による負傷で入院すると、退院後も食欲が戻らず、体調を崩すことが増えていたという。
近親者のみで行われた葬儀にも作詞家のもず昌平氏らと参列。キダさんは「ちょっとやせていて、結構男前やった」といい、生前「線香のにおいは嫌い」と話していたキダさん。葬儀でも焼香はなく、キダさんが作曲してきた軽快な名曲が流れる中、最後の別れを告げたという。
円が高校生の時に出演したABCラジオ「ABCヤングリクエスト」で初対面し、「君は才能はあるがリズム感が悪いから、メトロノームを使ってちゃんと練習しなさい」と、アドバイスをもらった。後年、人間関係で悩んでいた際にもらった「あまり人に近づかんこっちゃ」という言葉が印象に残っているという。
円いわく、キダさん自身もあまり人付き合いをする方ではなく、「あまり近づかないけど、近づいてきた人は大事にする。あの人の人生観というか、美学があったんと違うかな」と、しみじみと語った。