TBS日曜劇場「アンチヒーロー」プロデューサーが明かす“からくり” ドラマ一気見時代に対抗

 俳優・長谷川博己が主演するTBS系日曜劇場「アンチヒーロー」(後9・00)が毎話、視聴者の感情を揺さぶり続けている。逆転に次ぐ逆転が描かれる弁護士ドラマとして全10話が放送予定で、19日に折り返しとなる第6話放送を前にプロデューサーの飯田和孝氏をたずねると、そこには「つながり」を意識した緻密な構成にからくりがあった。「第6話からでも入れる」という作品としての魅力や、不気味な弁護士を演じる長谷川の役作り、後半戦の見どころなどを聞いた。

 今作は長谷川が「小さな巨人」以来7年ぶりに日劇の主演を務める作品で、殺人犯をも無罪にするアンチな弁護士が題材。長谷川演じる弁護士・明墨は、証拠をつかむためなら手段を選ばず、何をたくらんでいるのかも分からない不気味なキャラクターで、視聴者を“悩ませて”いる。

 発案は2020年、コロナ禍真っただ中の時だったという。「一気見」が可能なNetflixドラマの構成に着想を得て「テレビドラマは一気見ができない。1週間空いて、連続で10週間、11週間楽しませるっていうことが至上命題。一気見出来るコンテンツに対抗するためには、どういうことがあったらそういう(見続ける)モチベーションになるのかをより考えるようになった」と、視聴意欲をかき立てる方法を模索した。

「殺人犯へ、あなたを無罪にして差し上げます」という強烈なキャッチコピーの下、初回から殺人の容疑をかけられた緋山(岩田剛典)が罪を犯したのかどうかという所から考察も盛り上がっている現在。

 表現においては「『うそ』にならないことを意識した」という。「視聴者を引っ張るための無理な演技をさせたりはしていません。後から見ても理由がちゃんと説明できるようにしている」。

 また情報が後出しにならないよう、「9話くらいの物語を作ってる時に、もう一回1話に戻って、関連するセリフを入れこんだ」こともあるといい、矛盾の無い伏線を張り巡らせ、「確かに言ってたな」と見返しても楽しめるように作り込んでいると明かした。

 物語が進むにつれて、明墨の過去や真の狙いが判明してきた所で迎える後半戦。今後の見どころをいくつかのポイントに分けて示してくれた。

①死刑囚・志水裕策(緒形直人)の行く末

 初回の終盤から登場していた志水は過去に明墨と深い関わりがあり、無実の疑いがある人物だと判明する。「どうやって『えん罪なのかも知れない』と言われてる人を助け出すのかは大きな見どころの一つ。後半戦は、前半にまいてきた種が芽をつけ、一気に開花する流れになる」と語った。

②明墨が受け持ってきた事件の関連性と、物語の「つながり」

 明墨が前半までに受け持った事件の数々は一見関連性のないように見えたが、①とつながるということが明墨の部下・赤峰(北村匠海)や紫ノ宮(堀田真由)にも気付かれる。飯田氏も「序盤は1エピソード完結型と思われていたと思います。しかし、このドラマの見どころはその一つ一つが思いも寄らないつながりをしてくるところ。その時やっていたことの理由が分かる」と解説した。

 明墨はヒーローなのか、敵なのか-。最終回を迎えた先には「それぞれのキャラクターが前を向ける感じになれる気がする」といい「何かモヤっとしてるものがスコーンと抜ける」とアピール。

 また「6話でちゃんと事件を整理して、縦軸のストーリーに入っていくので、6話からでも入れます」と笑いつつ、「録画でも何でも良いのでとにかく10話皆勤賞を推奨します。そうすると、気持ちよさはひとしおじゃないかなっていうストーリーをちゃんと用意している」と力説した。

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