池波志乃 中尾彬さんの死に悲痛「まだ志乃~と呼ばれそうな気がします」芸能界きってのおしどり夫婦
バラエティー番組やCMへの出演などでも人気を博した俳優の中尾彬さんが、16日に心不全のため81歳で死去していたことが22日、分かった。所属事務所「古舘プロジェクト」が発表した。葬儀・告別式は妻で女優の池波志乃(69)ら近親者で営まれたという。中尾さんは1961年に日活ニューフェイスに合格し、64年に本格デビュー。二枚目から悪役まで幅広く演じた。私生活では78年に池波と結婚し、芸能界きってのおしどり夫婦として知られる存在に。一方で2013年には都内の寺に墓を建立し、遺言書を作成するなど“終活”を開始していた。
中尾さんと46年連れ添った妻の池波は、気丈に書面の中で思いをつづった。「あまりに急で、変わらない顔で逝ってしまったので、まだ志乃~と呼ばれそうな気がします」とし「叶いますならば、中尾彬らしいね~と笑って送ってあげてくだされば幸いです」と記した。
1978年、中尾さんが35歳、池波が22歳の時に結婚。「終活夫婦」の中で中尾さんは池波の所作を見て「こいつなら『貧乏にも耐えられる』と思った」と振り返る。結婚生活は借金からスタート。池波は封筒貯金でコツコツと蓄えを積んでいったという。
芸能界きってのおしどり夫婦として知られた2人。多くのテレビ番組やイベントにそろって登場した。2019年の企業イベントでは「あ~ん」で手料理を食べさせてもらい「70過ぎて『あ~ん』は介護だよ。今日初めてやった」と照れるひと幕も。夫婦で囲む夕食は約2時間。料理と会話で絆を深めてきた。
豪快な一面を持つ中尾さんに対し、寛大な思いで接してきた。18年の「終活夫婦」の出版イベントでは「カサカサになっちゃったら困るので、結婚当初からそうしている」と、中尾の“女遊び”を容認していることを明かし「ご飯を食べたぐらいで大変なことになる年齢じゃありませんから」と笑い飛ばしていた。
06年には池波が「フィッシャー症候群」で倒れ、その翌年には中尾さんが大病を患った。40年超の結婚生活の中で試練も乗り越え、14年には「いい夫婦 パートナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。互いを「彬」「志乃」と呼び、飾らず、あけすけに関係を明かしてきた2人。誰もがうらやむ夫婦だった。