中尾彬さん 死去 81歳、心不全 二枚目から悪役までこなす個性派 16日に自宅で愛妻に看取られ

 中尾彬さん=23年8月
 「ゼクシィ」新CM発表会で笑みを浮かべる池波志乃(左)と中尾彬さん=18年4月
 「Men’s Beautyアワード」受賞式で中尾節を炸裂させる中尾彬さん=23年8月
3枚

 バラエティー番組やCMへの出演などでも人気を博した俳優の中尾彬さんが、16日に心不全のため81歳で死去していたことが22日、分かった。所属事務所「古舘プロジェクト」が発表した。葬儀・告別式は妻で女優の池波志乃(69)ら近親者で営まれたという。中尾さんは1961年に日活ニューフェイスに合格し、64年に本格デビュー。二枚目から悪役まで幅広く演じた。私生活では78年に池波と結婚し、芸能界きってのおしどり夫婦として知られる存在に。一方で2013年には都内の寺に墓を建立し、遺言書を作成するなど“終活”を開始していた。

 卓越した演技力と整ったマスクで個性派俳優として活躍する一方、バラエティー番組やCMにもひっぱりだこだった中尾さんが、人知れず人生の終幕を迎えていた。

 池波は事務所を通してコメントを発表。「終活以来の中尾の遺言で、このような形を取りました」とした上で、「15日に容態が急変し、16日の夜中に自宅で私と二人の時に、とても穏やかに本当に眠るように息を引き取りました」と伝えた。

 池波によると、中尾さんは「今年に入って足腰が悪く体力も落ちて、医師の訪問を受けながら、本人の意思により、自宅でゆっくり休んでおりました。時には取材や、足腰をかばっての仕事もやらせていただき、本人は元気で12月の旅行に向けて、頑張ってリハビリをしていた」という状態。それでも仕事への情熱は衰えず、関係者によると、今月までCM撮影などに参加していたという。

 中尾さんは、武蔵野美術大学油絵科に入学した1961年に日活ニューフェイスの第5期に合格。大学を中退してフランスへ留学し、64年に帰国すると映画「月曜日のユカ」で本格デビューした。75年には映画「本陣殺人事件」で主役の金田一耕助役を演じて話題に。78年からはテレビ朝日系ドラマ「暴れん坊将軍」で初代徳川宗春役を演じ、当たり役となった。

 近年はバラエティーやCMへの出演が目立ち、歯に衣着せぬ豪快さとおちゃめさを兼ね備えたキャラクターで人気に。とりわけダウンタウン・浜田雅功から「アキラ!」と呼び捨てでツッコまれる姿はお茶の間で広く愛された。また、スカーフやマフラーをぐるぐる巻きにして身につける「ねじねじ」がトレードマークとなっていた。

 私生活では1970年に女優・茅島成美と結婚したが、75年に離婚。78年に再婚した池波とは、芸能界きってのおしどり夫婦と称された。一方、2007年3月には大阪市内のホテルで体調不良を訴えて救急搬送され、急性肺炎および横紋筋融解症と診断された。生存率20%という生命の危機だったが回復し、5月には都内の病院に転院して退院。酒豪かつ愛煙家だったが、その後は過度な飲酒を控え、禁煙に努めていたという。

 近年は“終活”として「ねじねじ」200本を処分するなど、多くの所持品を断捨離。13年には自宅近くの寺に墓を建て、15年には千葉のアトリエと沖縄のマンションを売却した。18年に池波との対談形式で出版した著書「終活夫婦」では、2人とも「葬式や偲ぶ会はやらなくていい」としていた中尾さん。その信念通り、最期は最愛の妻や近親者のみに見送られ、天国へ旅立った。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス