将棋の第８２期名人戦７番勝負第５局２日目が２７日、北海道紋別市「ホテルオホーツクパレス」で行われ、先手の藤井聡太名人（２１＝竜王・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖との八冠）が９９手で挑戦者の豊島将之九段（３４）を破り、対戦成績４勝１敗で名人初防衛に成功した。出場したタイトル戦は全て制しており、自身の持つタイトル連続獲得の歴代最多記録を２２連覇に伸ばした。

　穴熊で強固な守備陣形を築き、２日目になると徐々にリードを広げた。終盤に突き放す展開となったが「急所がつかめないまま指しているところが多かった。内容としては反省点もあった」と振り返り「なんとか防衛という結果を出せたことはよかった」と安堵（あんど）の表情を浮かべた。

　藤井名人は現在戦っている第９期叡王戦５番勝負では伊藤匠七段（２１）に１勝２敗とタイトル戦で自身初のかど番に追い込まれており、八冠維持に負けられない戦いが続く。同タイトルは３１日に第４局を控え「駒組み段階から形勢判断、構想の立て方に課題が残ったと思います。これからも対局が続くので精いっぱいやりたい」と力を込めた。