「セクシー田中さん」問題で日テレが調査結果報告 「原作者とのミスコミュニケーションがあった」 制作期間の見直し課題
日本テレビが31日、都内の同局で、昨年10月期に放送したドラマ「セクシー田中さん」の原作者・芦原妃名子さんが亡くなった問題について調査結果を発表した。
同局は「原作者とのミスコミュニケーションがあった」とし、芦原さんとの意思疎通の食い違いが生じ、信頼関係が失われていったと説明。原作出版元で芦原さんの窓口だった小学館は、昨年3月の打ち合わせで「ドラマ化するなら原作を大事にしてくれる脚本家でないと難しいと伝えた」と回答をしているが、同局は「この時点では条件や注意事項として聞いた記憶がない」としている。
コミュニケーション不足が加速した要因の一つとして、初回放送まで6カ月程度だったドラマの制作期間が不十分だった可能性に言及。社内特別調査チームの責任者を務めた山田克也取締役執行役員は「最初のボタンをかけ違えた状況で、6カ月程度だったドラマの制作期間が適正だったか」と指摘。「開始の1年半前、遅くとも1年前には企画決定するよう努める」と改善策を挙げた。
芦原さんの不信感を拡大させた具体的な事例として「事実と異なる説明」があったことも報告。芦原さんから、ある撮影シーンについて問い合わせがあった際に、撮影は5日後だったが、キャストやスタッフの負担を考慮して「撮影済み」と虚偽の返答をした。その後、事実を知った芦原さんの抗議を受け、撮り直しで対応したという。
同局は、芦原さんの死去後に、小学館と契約締結したことも報告。事前に細かな条件面を明確にできなかったことも問題だったと認め、速やかな契約締結を今後の課題に挙げた。
一方、ドラマには原作者の意向が取り入れられており、内容に「不満を抱えていたという事実はなかったとみられる」との認識も示した。