桂ざこばさんの死因となった気管支喘息 「重積発作」で年間に約1500人が死去 「松本クリニック」松本医師が見解

 落語家の桂ざこば(かつら・ざこば、本名・関口弘=せきぐち・ひろむ)さんが12日午前3時14分、喘息(ぜんそく)のため大阪府の自宅で死去した。76歳。大阪市出身。所属する米朝事務所が公表した。兵庫・芦屋「松本クリニック」の松本浩彦医師は死因となった気管支喘息について見解を語った。

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 落語家の桂ざこばさんが気管支喘息で亡くなられました。気管支喘息など、特に子供ではよく聴く病気で、喘息で命を落とすのか、と思う方も多いでしょうが実は医者にとっては決して馬鹿にできない病気なのです。

 気管支喘息はアレルギー性気管支炎、つまり花粉症の気管支版とも言えますが、1年を通していつでも起こります。アレルギー反応で炎症がひどくなると、気管支はむくんで狭くなり、そこに大量の痰が詰まると窒息して死にいたります。

 軽症であればステロイドの吸入薬や気管支拡張薬で治りますし、少々ひどくても飲み薬や貼り薬などの治療法があります。しかし何度も起こる発作を吸入ステロイドなど、短時間しか作用しない薬だけで対処していると、いつか大きな発作が「なだれ」のようにおこります。これを重積発作と呼び、死につながる危険な状態です。

 現在の日本でも年間に約1500人の方が喘息の重責発作で亡くなっています。吸入ステロイド薬の開発で激減したとはいえ、いつもの喘息だと思っていると一気に急変して亡くなる方がいるのです。私の師匠である老先生も、いつも通り夜の診療を終え、風呂に入って晩酌を始めた頃、急に喘息発作が出て、病院に向かう救急車の中で亡くなられました。合掌。

 私がかつて勤務していた病院では、救急室に喘息の患者さんが搬送されてきた時には、勤務中の医師全員に、インカムでその情報が共有されました。何か起こった時に、誰でもすぐに応援に駆けつけることができるよう、全医師に緊張が走ったものです。

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