宝塚劇団員急死問題 阪急阪神HD大荒れ株主総会 厳しい質問攻め&飛び交う怒号 角会長解任要求も

 会場に向かう株主ら(撮影・高部洋祐)
 会場に向かう株主ら(撮影・高部洋祐)
 阪急阪神HDの第186回定時株主総会が行われた梅田芸術劇場メインホール(撮影・高部洋祐)
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 宝塚歌劇団の親会社である阪急阪神ホールディングス(HD)の定時株主総会が14日、大阪市内で行われた。昨年9月に歌劇団宙組の25歳の劇団員が急死したことから、総会は大荒れとなり、会場には怒号が飛び交った。株主同士も意見の相違でバトルの様相を呈し、さらにはHDトップの角和夫会長の解任要求まで噴出した。

 例年、阪神タイガースへの質問はあっても、宝塚に対してはほとんど質問のなかった総会。だが劇団員急死後初、さらに今月20日に迫った宙組再始動直前となった今年の総会は、角会長の謝罪から始まり、株主からの厳しい質問が相次いだ。

 昨年に続き、今年も質問に立った女性株主は「ハラスメントについて世間と劇団にズレがある。隠蔽体質なのは、企業としていかがなものか」と苦言。「なぜ宙組プロデューサーや(劇団員を管理する)生徒監がこないのか」と現場から株主への説明が無いことに不満をみせた。

 また、ある男性株主は、パワハラを行ったといわれる上級生たちの芸名と本名を挙げ「この場所に呼んでほしい」とぶちまけた。さらに「なぜ舞台に立たせる。懲戒解雇にしないのか」と詰め寄った。

 大塚順一執行役員が「行為はハラスメントだが、悪意をもっていない。厳しい叱責(しっせき)がハラスメントになると思っておらず、責任は劇団にある」と回答すると、会場からは怒号が飛び、緊迫した雰囲気に。議長を務める角会長が「不規則な発言はお控えください」と求めた。さらに別の女性株主は、他界した劇団員を悼みながら、「上級生の本名まで出すのはどうか」と質問に疑義。株主同士も、バトルの様相を呈していた。

 また「宝塚歌劇団の村上浩爾理事長は、全く信頼に値しない。直ちに解任を」といった意見や、角会長にも「責任を取って辞任すべき」と次々と糾弾の声が上がっていた。

 劇団員急死については、パワーハラスメントや過重労働を認め、今年3月末に劇団と遺族側の和解が成立。宙組も宝塚大劇場で約9カ月ぶりに公演が再開するが、完全なる再出発への道のりは平たんではない。

 ◆劇団員急死問題の経緯

 【2023年】        

 9月30日 歌劇団宙組の25歳劇団員が自宅マンション敷地内で死亡

 11月10日 遺族の代理人弁護士が、団員急死の原因は「過重な業務や上級生劇団員のパワハラ」と訴え

 11月14日 歌劇団が謝罪会見。木場健之理事長が引責辞任へ。過重労働は認めるも、いじめ・パワハラは否定

 12月5日 遺族側代理人が阪急グループ・劇団あてに意見書、パワハラの証拠とするLINE画像などを提出

 【2024年】        

 1月24日 歌劇団の親会社・阪急阪神HD側が、歌劇団関係者らのパワハラなどがあったことを認め、遺族側へ謝罪する意向を固めたことが判明

 2月29日 阪急阪神HDの角和夫会長が、歌劇団と養成機関「宝塚音楽学校」の両理事を退任

 3月28日 宝塚歌劇団が会見で全面謝罪。女性側遺族との合意書が締結されたことを発表

 5月14日 阪急電鉄が再発防止のため、外部有識者でつくるアドバイザリーボード(助言機関)を設置し、第1回会合を開いたと発表

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