石川さゆり 「寄り添えたらいいなって」77年ヒット曲「能登半島」へ“恩返し” 新曲に込めた思いも語る
演歌歌手の石川さゆり(66)が、大阪・フェスティバルホールで来月14日に開催するコンサートを前に、このほどデイリースポーツの取材に応じ、新曲「とこしえの旅」に込めた思い、公演への意気込みを語った。
終始、優しげな目で、柔和な表情を浮かべた石川。「誰も1人でなんて生きていないよ。寄り添えたらいいなって、そういう歌が歌えたら」。旅情に漂うさみしさに寄り添う優しさを、新曲でしっとりと歌い上げた。
22年3月にデビュー50周年を迎え「今、伝えたい思いを歌に託したい」と強く感じたという。脳裏に浮かぶのは1月の能登半島地震で被災した石川・能登地方の人々だ。1977年に「能登半島」がヒット後、何度も足を運び、知り合いも多い縁深い場所。コンサートで寄付を募るなど支援しながらも、自分にできるのはやはり歌うこと。「私の歌が、ふと、皆さんのお役に立てたらいいな」と言葉に力を込めた。
新曲のカップリングには、昨年12月に公開された巨匠・ヴィム・ヴェンダース監督の映画「PERFECT DAYS」の劇中、飲み屋の女将役で出演した石川が情感たっぷりに歌い上げて話題となった「朝日楼」を収録。「みんなが持つ心の隙間、さみしさを、心の中でつぶやきたくなるような。そんな映画をご一緒できたことが『とこしえの旅』につながっているかもしれない」とも話す。
真夏の大阪でのコンサートへ向け「楽しんでいただきたい。『あー来て良かった』って思ってもらえるステージにしたいですね」と笑顔を見せた。「何かをやるんだって、そんなおこがましいことは思わないです」。自然体で自分にできる精いっぱいで、寄り添いながら歌い続ける。