テレビ朝日の名物討論番組「朝まで生テレビ！」（毎月最終金曜の深夜）が１０月から新たにＢＳ朝日のゴールデンタイムに移行することが３日、分かった。放送は毎月最終日曜日（後７・００～８・５４）で、司会は９０歳という節目の年を迎えている田原総一朗氏が継続する。

　放送開始から３８年目、深夜の名物番組が、地上波の放送に幕を下ろし、ＢＳで激論の場を継続する。引き続き司会を務める田原氏は「日本は、これまでの常識ではやっていけない新しい時代に入っている。だから幅広い世代、様々な立ち位置の人々が自由に論議できる場にしたい」と意気軒昂にコメント。「これまで深夜だから見られなかった人にも見てほしいです」と呼びかけた。

　田原氏は早大を卒業した６０年に岩波映画製作所に入社。６４年に東京１２チャンネル（現テレビ東京）などを経て、フリージャーナリストとなった。「朝生」のスタートした８７年４月から司会を務め、月に一度、幅広いテーマについて多くの識者とともに忖度（そんたく）なしに激論を交わすスタイルで視聴者の支持と信頼を得てきた。放送回数は４４６回（６月２８日放送分まで）を数える。

　深夜からＢＳゴールデンタイムに移ることによって、これまで以上に幅広い世代の視聴者の取り込み、多様なテーマを扱うことでより議論を白熱させる狙いがある。同番組の紫藤泰之チーフプロデューサーは「昭和・平成・令和…長きにわたり、出演者・視聴者の皆さまとともに“タブー無き言論の場”を切り開いてきた。新たな土俵で、内容を深化しさらなる挑戦を続けます」と宣言。地上波ではなく時間帯が変わっても熱い思いはそのままにタイトルの“朝まで”も継続する。