宝塚 初演から50年「ベルばら」開幕!雪組トップ彩風咲奈のサヨナラ公演

 10月の東京宝塚大劇場公演千秋楽で退団する雪組トップスター彩風咲奈のサヨナラ公演「ベルサイユのばら-フェルゼン編-」が6日、本拠地・宝塚大劇場で幕が開けた。

 池田理代子氏の同名劇画を原作とした「ベルサイユのばら」は1974年の初演以来、宝塚歌劇最大のヒット作。初演から50周年の今年、10年ぶりに宝塚大劇場の舞台に華麗によみがえった。フランス革命を舞台に、フェルゼンとアントワネット、オスカルとアンドレの歴史に翻弄される愛が描かれている。

 これまで17回大劇場で上演(東京公演のみも含む)され、宝塚の“古典”ともいうべき作品。ファンなら実際に見たことはなくとも、「愛あればこそ」「白ばらのひと」「愛の巡礼」など耳なじみのある曲がずらり。また「今宵一夜」「バスティーユ」「牢獄~断頭台」などの名シーンも連続で、いわゆる『ベルばら』が堪能できる。歌舞伎の時代物のように、一つひとつのシーンが独立していても、ファンを引き込む力があり、まさに“考えるな、感じろ!”な、宝塚が肌で体感できる作品となっている。

 その一方で、初演から脚本・演出を手がける植田紳爾氏の手により、次代やスターに合わせ変化が加えられている。今年91歳になった植田氏だが、作品へのパワーは健在で、今回も新曲や、構成に変化があり、彩風の魅力を引き出した。1本物の大作だが、1部だけでなく2部にもオープニングがあり、50周年を記念した50人のラインダンスなど、フィナーレもたっぷり。パレードでも客席降りもあり、最後にショースターとしての彩風も楽しめる。

 新たに書き下ろされた劇中歌「セラビ・アデュー」は、フェルゼンがオスカルへの別れを歌ったもの。だが彩風と宝塚の餞別(せんべつ)曲ともなっており、組の全員がアカペラで歌うシーンは圧巻。初日を前に行われたゲネプロでも、彩風が涙を流していた。また次期トップスターの朝美絢とトップ娘役・夢白あやへのバトンタッチを思わせるシーンも作られた。

 朝美は男装の麗人オスカルが、劇画から飛び出たかのような美貌。男役でもなく、女性らしさを強調することもなく、男装の麗人として存在。芝居はもちろんだが、たたずまいでも説得力を持たせた。

 アンドレを演じた縣千も橋の上での殉死シーンが描かれ見せ所たっぷり。ベルナールを演じた華世京も、芝居はもちろん、2部のプロローグで次代を背負うのスターの魅力を発揮した。

 宝塚大劇場は8月11日まで。東京宝塚劇場は8月31日~10月13日。

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