俳優・永瀬正敏（５７）が８日、都内で映画「箱男」（８月２３日公開）のジャパンプレミアに、共演の浅野忠信（５０）、佐藤浩市（６３）、白本彩奈（２２）、石井岳龍監督と登場した。

　原作は作家・安部公房の同名小説。９７年に映画化される予定だったが、ベルリンでのクランクイン直前に撮影が頓挫。それでも石井監督は諦めずに２７年後の今年、映画化を実現させた。永瀬は「あまりにもうれしい。ここまで２７年かかった」と喜びをかみしめた。

　撮影の準備として２７年前同様、永瀬は今回も役作りのために箱に入って生活を試みたという。「美術さんに一つ（箱を）用意してもらって、トイレとお風呂入る時以外は入ってました。今回も同じことをしていました。今回はちっちゃい相棒がいて。猫と言うんですけど、一緒に入ったりしていました」と笑みをこぼした。

　佐藤は２７年前のクランクイン直前の日について「ちょうど、白夜の季節だったんですよね。で、生まれて初めて２１時、２２時でもまだ、明るい。決して冷たくないビールを飲みながら、ドイツを感じていました」と当時を懐かしそうに振り返った。

　くしくも安倍公房生誕１００年で映画化が実現。佐藤は「十人十色、各々の感想があると思う。お客さんがどうやって見てくださったかを知りたい。楽しませてください」と期待した。