アン ミカ ポジティブパワーの原点・母の4つの魔法とは 言霊の力を信じた結果、超多忙な日々に

 女優や歌手など幅広い活躍を見せるアン ミカ(撮影・堀内翔)
 ©講談社
 日めくりカレンダーⓒ講談社
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 モデル・タレントのアン ミカ(52)が快進撃を続けている。女優、歌手…と活動の幅を広げ、もはや肩書不明とも言える売れっ子ぶりだ。語録を集めた「スーパーポジティブ日めくりカレンダー 今日もアン ミカ」(講談社)が発売されるなど、発する言葉の強さ、輝きが人々の心を掴んでいる。ポジティブパワーの原点を辿った。

 あらかじめ提出した質問案の紙には、メモがびっしりと書き込まれていた。何媒体もの記者と対峙(たいじ)する取材日だったが、1人1人としっかり向き合おうとする意識が伝わる。挨拶をすると、真っ先に「たくさん世の中にニュースがある中、取材に来て下さって、ありがとうございますね~」とほほ笑んだ。こちらが恐縮するほど気遣いの人だ。

 「回そう笑顔の観覧車」「『すみません』を『ありがとう』に」-。語録を集めた3年ぶりの「日めくりカレンダー」が発売された。いまやポジティブワードがすっかり代名詞だが、言葉の力を信じるきっかけは母が教えてくれた“4つの魔法”だったという。

 「母親が導き上手だったんですね」と口を開き、続けた。幼少期、子供用の柵が壊れていたことで階段から転落し、口を負傷した。口元は黒ずみ、笑うと唇がめくれ上がる。自然と自信がなくなり、コンプレックスを抱えた。

 ある日、母親が教えてくれた。「本当の美人は一緒にいて、心地いい人。目鼻立ちが綺麗なだけの人が美人とは限らないよ。4つの魔法を守っていると自分に魔法がかかって、美人になれます。実践しましょう!」。母の魔法は「姿勢」「笑顔」「目線」「話し方と聞き方」の4つ。守っていると、自然と人気者となり、中学生の頃には生徒会長に立候補するまでになった。

 「当時まだ母は30代前半とかで、むちゃくちゃ若かったはずなんですよ。すごい母に当たった、って言ったら変な言い方ですけど、本当にそうなんだと思います。本当に不思議な母の導きがあって、私はモデル、兄は行政書士で、姉は歯科衛生士になりました」

 言葉が意識を変え、意識が人生を変えた。40代で早世した母の魔法が、ポジティブワードの原点となっている。言霊の力を信じ、突き進んできた結果、今やテレビで見ぬ日がないほどの売れっ子となった。超多忙な日々だが「こうなるのは想像できてました」と笑う。

 「『叶』は『口』に『十』で、10回言ったら叶うと思ってきたので、事務所に入ったときに『何がやりたい?』と聞かれて『全部です!』と答えました。アン ミカで面白いと思ってもらえることには全部参加したい。チャンスがあるものを全部やってみたいから、こうなることは予測できました」。今年はコーラスグループを結成するなど、ますます活動を拡大していくという。

 カレンダーに入らなかった言葉の1つとして禅の「本来無一物」を挙げ「大好きな禅の言葉や真言密教をすごく勉強させていただいて、なるほどと思うこともすごく多いです。みんながすがったところにある言葉ってすごく光やパワーを持っていて、昔から人が悩んでいることって変わらないねんなって思います」とうなずいた。

 「私のカレンダーがどっかに埋まって、200年後に発見されても多分それなりに伝わるんじゃないですかね。人間変わってないと思うんですよ」。アン ミカの語録が数百年後にも人々を導いていたり…力強く話す姿には、そんな妄想があながち絵空事とも言い切れない光のオーラが満ちていた。

 ◇アン ミカ 1972年3月25日生まれ。韓国出身。大阪育ち。5人兄弟の次女。幼少期に家族で大阪・鶴橋に移住し、高校卒業後に単身パリへ挑戦。モデルとしてだけでなく、バラエティーや女優としても活躍。22年に「シンデレラストーリー」で念願だったミュージカルデビューを果たす。「白って200色あんねん」などの名言多数。

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