正司照枝さん死去 かしまし娘・次女 女優としても活躍 妹・花江「今もまだ隣にいるような気が」

 姉妹漫才トリオ「かしまし娘」のメンバーで女優の正司照枝(しょうじ・てるえ、本名照江=てるえ)さんが8日夕、急性心臓死のため大阪府の自宅で死去した。91歳。北海道出身。所属事務所のSHUプロモーションが公式サイトで発表した。葬儀・告別式は家族葬で執り行う。1月には姉の歌江さんが死去したばかり。3姉妹のうち2人が約半年の間に天国に旅立ってしまった。

 仲の良かった姉・歌江さんの死からわずか半年、照枝さんはその後を追うように、静かにこの世を去ってしまった。

 所属事務所の関係者によると、照枝さんは1人暮らしだったが、特に持病などもなく、亡くなる前日までまったく前兆を見せず元気に生活していたという。同事務所に所属する「かしまし娘」の三女で照枝さんの妹である正司花江も、「亡くなった当日もいつもと変わらぬ様子で、誰の手も煩わせることなく静かに逝きました」とコメント。その上で「子供の頃からずっと一緒に過ごした姉の死をまだ受け止めることができません。今もまだ隣にいるような気がします」と悲痛な心境を吐露した。

 照枝さんは旅一座にいた両親の下に生まれ、子どもの頃に姉の歌江さんと組んだ少女漫才が評判になった。1956年、妹の花江を加えて結成した「かしまし娘」は、女性漫才トリオの草分け的存在に。流行歌や浪曲を取り入れた音曲漫才で一躍、人気者となり、「♪うちら陽気なかしまし娘~♪」の歌い出しは世間に広く知られた。当時は本名の「正司照江」名義で、ギターを担当した。

 1981年にトリオとしての活動を休止後、庄司照恵と改名して松竹新喜劇入り。87年に退団し、現在の芸名に変更した。その後は女優として、2011年度後期NHK連続テレビ小説「カーネーション」や、17年10月期放送のTBS系日曜劇場「陸王」など人気テレビドラマに出演。映画、舞台で活躍した。

 18年には昭和の上方演芸界を盛り上げた功績を評価され、トリオとして上方演芸の殿堂入りを果たしていた。最後の出演番組は、昨年11月18日放送のNHK総合「よみがえる新日本紀行」だったという。

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