宝塚 花組新トップ・永久輝せあがお披露目 美貌と退廃の「ドン・ジュアン」
宝塚歌劇団花組の新トップスター永久輝せあと新トップ娘役・星空美咲のお披露目公演「ドン・ジュアン」が16日、名古屋・御園座で初日を迎えた。2016年に雪組の望海風斗主演により日本初上演されたフレンチ・ミュージカル。今回、新トップコンビにより再演された。
元々は正統的なノーブルな二枚目の永久輝。だが今回は女、酒、悪徳と放蕩(ほうとう)の限りを尽くして生きるドン・ジュアンを演じた。あらゆる男の憎みを買い、あまたの女たちを恋焦がらせるにふさわしい、美貌と退廃的香りを漂わせた。
1幕の快楽をむさぼる姿から一転、2幕は愛を知って少年のような表情さえ見せるドン・ジュアンを演じた永久輝。嫉妬にさいなみ、悲劇へと突き進まざるを得ない行程も、ほとばしる情熱を表現し、見る者を納得させた。
新トップ娘役の星空は、彫刻家のマリアという芯のある女性を生き生きと演じた。歌は折り紙付きで、美声を響かせた。
「ドン・ジュアン」の物語の核となる騎士団長の綺城ひか理は縦横無尽の活躍。ドン・ジュアンの友人、ドン・カルロ役の希波らいとも立ち姿も美しく、存在感を見せた。雪組時代、永久輝が演じたラファエル役は天城れいん。決闘は迫力のシーンとなった。また修道院からエルヴィラ役の美羽愛は、難しい役所に挑戦し、歌にも成長を見せていた。
公演は8月1日まで。