女優渋谷凪咲 密かに抱いていた夢「素直に全力で」映画初主演「演技のお仕事がNMBに続く何かになれば」
元NMB48の渋谷凪咲(27)が女優として本格的に歩み出した。ホラーの巨匠・清水崇監督(51)の映画「あのコはだぁれ?」(19日公開)で初主演を果たす。11年間在籍したアイドルグループ卒業後もバラエティー番組で活躍を続けるが、芝居の世界は「密(ひそ)かに抱いていた夢」だったという。「素直に全力で自分なりにやらせていただいた」と振り返る、初主演への思いを聞いた。
これまでアイドルとしてバラエティー番組で笑いをとってきた渋谷が、女優として新たな姿を見せる。映画初主演を飾り「初主演というのは人生で1回きり。それを清水監督のホラー作品でできたというのは本当に奇跡のような、ありがたい機会」と感激している。
大役に不安も感じていたが、「呪怨」シリーズなどを手がけたホラー界の巨匠・清水監督からの言葉が支えとなった。「『ホラーとコメディーは似ている。コメディーはフリがあってオチがある。ホラーも同じ。それが笑いになるのか恐怖になるのかの違いだ』と教えていただいて安心した。素直に全力でやらせていただいた」と肩の力を抜いて撮影に臨んだ。
今回は初めての教師役でもあり、共演の早瀬憩(17)ら20歳以下に囲まれた。「今までアイドルにいると自分が若いみたいな感覚だった。今回の現場では先生役で、10歳近く年下の生徒役の方と会うと自分って子供じゃなかったと改めて気づいた」。だからこそ、現場では持ち前の明るさで率先して“生徒”に話しかけ、休憩中は机を囲んでお昼ご飯を食べた。
これまで俳優との仕事は多くなかった。ただ、渋谷のバラエティーでの活躍は有名で「私のことを知らないだろうと思っていても(共演者から)『テレビで大喜利を見てめっちゃ面白かったです』とか言ってくださった。今までの活動で自分を知ってくださっていて、緊張がほぐれた。本当にNMBをやっていてよかった」とも実感した。
憧れの女優には綾瀬はるか(39)を挙げる。「大好きで綾瀬さんが出ている作品を見るだけでときめいちゃう」と語るほど。「きれいなのに飾らず表現されているところがかっこいい。私もそんな人になりたい」と語り、「いかに柔軟に自由にできるか。ゆとり、遊び心がある人はすてき」と理想像を思い浮かべた。
映画では、とある夏休みに補習授業を受ける5人の教室で、いないはずの“あのコ”が怪奇を巻き起こす。撮影前には演技レッスンに通い、基礎から学び直したという。
それでも「まだ自分は全力と一生懸命しか魅力はない」と満足はしていない。その上で「お芝居は難しくて悩むこともあるけど、悩んでる時間すら楽しい。それはNMBに入った時と同じ気持ちで、それはそれだけのやりがいがあるから。また新たな自分の人生として演技のお仕事がNMB48に続く何かになればいいな」と期待を込めた。
◇渋谷凪咲(しぶや・なぎさ)1996年8月25日生まれ。大阪府出身。2012年に4期生としてNMB48加入。14年3月のNMBシングル「高嶺の林檎」から選抜入り。選抜総選挙最高位は16年の56位。23年に日本テレビ系ドラマ「だが、情熱はある」に出演。読売テレビ「大阪ほんわかテレビ」、日本テレビ「DayDay.」(隔週金曜)などにレギュラー出演中。血液型A。