テレビもネットも話題独占 霜降り明星・粗品が「27時間テレビ」で示した圧倒的才能 ヒールもヒーローも自己演出
フジテレビ「FNS27時間テレビ」が20日から21日にかけて放送された。バラエティー番組「新しいカギ」霜降り明星、チョコレートプラネット、ハナコという新世代の7人がMCを務めた。
中でも活躍したのが霜降りの粗品。ほとんどのコーナーに出演し、爪痕を残し、そのたびにネットニュースになった。X(旧ツイッター)では、放送時間の大半で「粗品さん」「粗品」がトレンドワード入りした。
オープニングでは、港浩一社長を前に「大谷の家、すみませんでしたということで」とブッこみ。メンバー脱退を発表したばかりのロックバンド「KEYTALK」には「少なかったね」とツッコんだ。
「100キロサバイバルマラソン」では、この日に離婚を発表した声優の金田朋子と森渉が一緒に走ることについて「話を聞きたいです」と、いかにもニュースになりそうな触れ方を見せた。
深夜になると、「さんまのお笑い向上委員会」パートに、「宮迫NG」のプラカードを持って登場。先輩芸人を呼び捨てで「老害」呼ばわりした。その後も自身が考案した「粗品ゲーム」でMCを務め、大暴れ。YouTuberとして活躍する先輩芸人、キングコング梶原雄太をこき下ろす大喜利で、耳目を集めた。
事前収録の「逃走中」でもしっかりと話題づくりを忘れていない。ゲーム途中で自首し150万円をかっさらい、ヒールを演出した。
かと思えば、直後の「ハモネプ」では審査員を務めると「高校生が真剣に仕上げてくると思うので、リスペクトを持ってやりたい」と真面目に審査。普段から音楽活動を行っているだけに、専門的な知識も踏まえ、判定し、出演者を感激させた。高偏差値高校の戦いとなったクイズ大会ではプレーヤーとして活躍し、ヒーローとなった。
テレビの衰退やネット隆盛が叫ばれる中で、粗品ほど、ネットとテレビを股にかけて活躍できている芸人はいない。多数のテレビ出演を維持しながら、ネットでも宮迫博之との“バトル”やあのちゃんとの熱愛疑惑など、さまざまな仕掛けで、ネットの住人を夢中にさせてきた。
27時間テレビ中にも、「粗品の呪い」と親しまれる競馬の予想をからませ、「粗品ゲーム」では「一人賛否」をモチーフにするなど、テレビとネットの融合を軽やかに実現した。
番組に登場した東野幸治が「ネットニュースのタイムラインが粗品だらけなんや」と悔しそうに語る場面があった。ヒールもヒーローも「粗品」という圧倒的な才能を、テレビにもネットにも示し続けた27時間だった。