3大会連続で五輪番組の総合司会・安住紳一郎アナ 「競技ファースト」大前提に「時間」と「角度」意識した表現心がける

 TBS系の「2024パリオリンピック」で総合司会を務める同局の安住紳一郎アナウンサー(50)が意気込みを語った。東京五輪(21年)、北京五輪(冬季=22年)に続く3大会連続での就任。普段はバラエティーや情報番組を主戦場とする安住アナだからこそのスポーツ報道での「強み」などをユーモアたっぷりに明かした。

  ◇  ◇

 冬季五輪を含め3大会連続の大役となる安住アナ。開幕を目前に控え「この夏もやるんだなって、身の引き締まる思い」と力を込めた。

 総合司会は、競技放送中の「アンカーマン」の役割。中継前後は、競技のOB・OGといったゲストに話を振り、現地にいるアナウンサーや選手などへも質問を投げる。開幕後の27、28日は現地出演する予定だが、それ以外はTBSのスタジオから昼夜問わず全競技の放送に出演する。

 2大会の総合司会を経て「なんとなくTBSのスポーツは『競技ファースト』というか、競技をストレートに伝えるってことを大命題に掲げている」と実感。その上で安住アナは、「時間」と「角度」を意識した表現を心がけていくという。

 日本とフランスの時差は7時間。日本の深夜に行われる競技もある。「多分リアルタイムで見る人と、朝に結果を知る人がいる。そういうところは伝え方を工夫しなきゃいけない」。「例えば『ネーショーンズリーグで男子バレーが銀メダルを取りました』ってVTRを振るのと『ネーションズリーグで男子バレーが決勝に進出しました』ってVTRを振るのでは多分全然違う」と、即座に例を挙げた。

 現在は「THE TIME,」など、ラジオも含め担当番組が毎日ある「同局の顔」。計算上は、大会期間中も一切休みがない稼働となるが「労働時間が多すぎるのでそこは調整中」と苦笑。それでも「自分が労働時間ケチって、会社つぶれるかもしんないからさ、やるしかないじゃんね」と冗談交じりに責任感を口にする。

 五輪では元アスリートなどが中継に携わる役割を務めることもある。「私の強みは局アナであって、局で働く人と同等に意見が言えるところ。なのでスポーツのディレクターとかプロデューサーに対しても結構強気に『違います!』って言える。その係なんです」と笑う。

 バラエティーや情報番組を主戦場としている「局アナ」だからこそ、制作陣と「同じ立場」で意見を出せる。「競技の面白さをストレートに伝えられるように、良い部分は足して、足さない部分は足さない。見てる人が一番興奮するスポーツ中継をできるように自分でできることは全部やる」。「競技ファースト」で、祭典の魅力を深く引き出していく。

 ◇安住紳一郎(あずみ・しんいちろう)1973年8月3日生まれ。北海道帯広市出身。明治大学文学部卒業後、97年にTBS入社。現在は「THE TIME,」、「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」、「情報7days ニュースキャスター」、TBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」を担当。オリンピックの総合司会は「東京五輪」(21年)、「北京五輪」(冬季=22年)に次いで3大会連続。「話し言葉検定1級」所持。好きな言葉は「私は会社のネコになりたい」。

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