フリーアナ・関野浩之さん 開閉会式MC務めた東京五輪はコロナ禍で無観客 「本来の形での大会うらやましい」

 東京五輪の開会式や閉会式などでスタジアムアナウンスを務めた関野浩之アナ(撮影・金田祐二)
 東京五輪の開会式を彩った大花火
 東京五輪の開会式で、旗手を務める八村塁(手前)を先頭に入場する日本選手団
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 制限なしの五輪がフランス・パリで開幕するのを前に、2021年の東京五輪・パラリンピック開開式・閉会式で日本語MCを務めたフリーアナウンサーの関野浩之さん(62)が取材に応じた。プロ野球ファンにはドラフト会議の声の人として、サッカーファンには日本代表スタジアムMCとして認知されているベテランが、コロナ禍の中、開催された世界最高峰のスポーツの祭典を振り返り、パリ五輪への思いを語った。

 史上初の1年の延期を経て3年前のこの日、無観客で幕を開けた東京五輪。開会式で五輪の公用語であるフランス語、英語に続いて流れた日本語アナウンスに、ネットは「ドラフト会議?」などと盛り上がりを見せた。関野さんの名前は公表されていなかったが、野球ファンやサッカーファンは、その声に敏感に反応していた。

 「開会式が終わって携帯の電源を入れたらすごいことになってました。国内のみなさんに認識してもらってるんだってうれしかったですね。30年スポーツをメインに携わってきたご褒美をもらったような感じですかね」

 国名の読み上げはドラフト会議での指名選手の読み上げを連想させたようだが「オリンピックは声を張る感じで。『日本』の時は他の国よりはテンション高く熱い気持ちで読み上げました」。大切にしたのは三つの言語の調和。「そろって美しくなるよう」心がけた。

 スポーツを主戦場にしてきた関野さんにとって五輪のセレモニーは「自身の集大成」として目標としてきた舞台だった。だが、コロナ禍の中、喜びを感じる余裕はなかったという。「コロナにかかるかもしれない不安、五輪が中止になるんじゃないかという不安。最後のリハーサルを終えても、今日熱が出るかもって安心できなかった」と振り返る。

 開放感に浸れたのは、五輪、パラリンピックの閉会式を無事に終えた後。ともにMCを務めた仲間らと喜びをかみしめた。「無観客だし、思い描いていた形ではないんですよ。でも、できたことはうれしかったし、不安があったので満足感、達成感、感動は一層強かったですね」。

 サッカー競技では、ブラジルがスペインを下した決勝戦まで場内MCを務めた。それだけに「五輪世代の代表ですけど、あの両国が日本で対決するなんてないですよ。サッカーに限らず、世界最高峰の戦いが無観客。単純にもったいないなって」と悔しそうに話す。

 目前に迫ったパリ五輪は制限なしの大会となる。日本からパリへとバトンをつないだ閉会式の光景を思い起こしながら「本来の形での大会ですからね。うらやましい。セーヌ川を下るんですよね。どんなに派手にやるんだろう」と興味津々。「選手のみなさんには自分が楽しく納得する演技、パフォーマンスを悔いなくしてもらいたいですね」とエールを送った。

 ◇関野浩之(せきの・ひろゆき)1962年生まれ。東京都出身。玉川大卒業後、役者として舞台に立ちながらコント・コミックバンドなどでも活動。28歳でフリーアナウンサーに転身。司会・パーソナリティー・リポーターなどを経て、フジテレビ「プロ野球ニュース」のナレーターに。97年からサッカー日本代表のスタジアムMC。プロ野球ドラフト会議の司会は一般公開となった09年から担当。

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