馬場馬術で全日本Jr.2位の元櫻坂・菅井友香 日本代表にエール「五輪きっかけに興味持ってくださる方がたくさん出てきたら」

 開幕を目前に控えるパリ五輪。「馬術」の日本代表に全力エールを送るのは、元櫻坂46の菅井友香(28)です。小学5年で乗馬を始め、落馬で右肩骨折の重傷を負いましたが、2011年に「馬場馬術」全日本ジュニア大会チルドレンライダー選手権で2位に入賞。筋金入りの乗馬女子が「馬術」の素晴らしさや深みを徹底解説してくれました。

  ◇  ◇

 動物園の「引き馬体験」でまたがったポニーの愛らしさにハートを射抜かれ、小学5年生のときに、乗馬クラブに入団。少年団には15人程度が在籍し、交代で7、8頭の馬の世話をしたという。

 「馬房のお掃除をして、鞍(くら)を付けて。お手入れして、厩舎(きゅうしゃ)にお返しする。責任を持ってお世話することの大切さを教わりました」

 馬の大きな体に感嘆しつつ、穏やかなまなざしと心臓の鼓動を感じながら、ともに成長した。

 「またがった瞬間に体温を感じるんです。『あったかいな』って。馬は本当に頭が良くて、人をよく見ています。言葉は通じないけど、一生懸命に言うことを聞いてくれて、協力してくれて。ありがとうの思いを込めながらポンポンって触ると、ちゃんと伝わるんです」と目を細める。

 一般的な競技との違いは動物との関係性が必須な点だ。

 「馬が気持ちよく走っているときは、自分もすごく気持ちいい。でも、当然ですけど馬にもコンディションがあって。私も数え切れないぐらい落馬をしています」

 入団から1年後には、落馬による右肩骨折という重傷を負った。

 「ハルガスミっていう、おてんばな子で。駆け足のときにバーンと後ろ足を蹴り上げて。私も体重が軽かったのでポーンと飛ばされちゃって。空中で一回転しました」

 激痛に襲われながらも「やめようとは思わなかった」と述懐する。「ただ、走るのが怖くなって体が固まるように。克服するため、たくさん乗りました。ダンベルで腕力を鍛えバランスボールで体幹トレーニングも」。

 かつてない恐怖を乗り越え、2011年には馬術の芸術性を競う「馬場馬術」の全日本ジュニア大会チルドレンライダー選手権2位に入賞。「音楽に合わせたり、いかに美しく正確に操れるかの競技で。馬と一緒に日々の練習を重ね、一緒に良い結果を出せたときは本当にうれしい。1頭の馬にもたくさんのストーリーがあって。毎日、厩舎でお世話してくださる方もいて」。競技の魅力を語る言葉も自然と熱を帯びる。

 「五輪をきっかけに興味を持ってくださる方がたくさん出てきてくださったら、うれしいです」

 幼少期から魅せられてきたのは、ともに心と心を通わせた信頼の形。日本選手団がパリで見せてくれる固い絆に今から胸を高鳴らせている。

 ◇菅井友香(すがい・ゆうか)1995年11月29日生まれ。東京都出身。小学5年で乗馬クラブに入団。11年に「全日本ジュニア馬場馬術大会チルドレンライダー選手権」第2位、13年「東京都馬術大会 M1課目」優勝。17年に「馬術スペシャルアンバサダー」に就任し、5年間活動した。欅坂46の1期生にして初代キャプテン。櫻坂46への改名後も引き続きキャプテンを務めた。22年11月に卒業。身長165センチ。血液型AB。

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