結城モエ “本当の私”を見て!!小悪魔イメージは「本来の自分と違う」 初主演映画「乱歩の幻影」で純粋な読書家役
女優の結城モエ(30)が初主演映画「乱歩の幻影」(26日公開)で役者としての幅を広げている。江戸川乱歩の魅力にとりつかれた主人公の弓子役を熱演。ドS秘書役で出演したテレビ朝日系ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」第7シリーズなどで見せてきた強気な演技ではなく、今回は幼い頃から文学少女だった自身と重なる主人公で「皆さんにこういう一面もあると伝わったらうれしい」と期待。役者として苦しい時期も乗り越えてたどり着いた主演映画に自信をのぞかせた。
透明感あふれるルックスながら芯の強さを感じさせるところがまさに主人公・弓子にハマっている。結城自身も幼少期から「楽しいと思った本を見つけて読むのが日常だった」といい、それが今回の初主演のオファーにもつながった。
これまでは「ドクターX」で強気な秘書役、日本テレビ系「新空港占拠」では不倫をしていたCA役など「小悪魔的な役が多かった」と言う。ただ「本来の自分と違いすぎて、正直作り出すのが大変で葛藤していた」と正直な気持ちを吐露。「結城モエってこういう人なんだという世間のイメージもどんどん強くなっていた。そんな中で、今回ただただ本が好きで純粋に興味を持ったことにのめり込む1人の女性というやっと自分に近い役でした」と今作が自身でもハマり役であることを実感している。
理想の役のオファーが来ない時期にはベテラン俳優の言葉にも支えられた。22年のWOWOW「連続ドラマW だから殺せなかった」では共演した玉木宏(44)に撮影の合間に相談したところ「大丈夫。もうそれは時間の問題だから」と前向きな言葉をもらい、結城は「悩んでいたことが晴れた。頑張って続けていけばいいんだと思えて助けられた」。今作で、言葉が現実となった。
結城は慶大法学部卒業後に本格的に芸能界へ飛び込んだ。高学歴を生かしたキャスターやクイズ番組に出た方が売れると言われ続けたところを押しきって役者の道へ。17年に日本テレビ系「脳にスマホが埋められた!」でドラマデビューを飾るがオファーは続かず。「18、19年あたりとかはドラマの仕事はほぼなかった。時間がありすぎて自分が何者なのかわからなくなってくる。生活はできても仕事がないって苦しかった」とどん底も経験した。
それでも辛抱強く役者にこだわった。「20年くらいから仕事が増えた。仕事が来るように頑張ってくれた周りの人たちのおかげ」と謙遜しつつ、「本当にそれ(女優が軸)で間違っていなかった」と胸を張った。
さらなる目標もある。「英語のセリフを覚えてきてくださいとかはできる自信がある。私も世界でうけるような作品の中の1人でいられたらいいな」と将来的な“世界進出”の野望を掲げた。
◆結城モエ(ゆうき・もえ)1994年5月18日生まれ。福岡県出身。慶応大学法学部を卒業後の17年に日本テレビ系ドラマ「脳にスマホが埋められた!」でデビュー。21年にテレビ朝日系ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」第7シリーズでドSな秘書役として出演し話題に。23年にはTBS系ドラマ「Get Ready!」、日本テレビ系ドラマ「夫婦が壊れるとき」に出演した。特技ピアノ。