【山田美保子のミホコは見ていた!】河合優実だけじゃない、二人の“ふてほど”演技派女優 CMや「新宿野戦病院」で輝く

 日本人選手のメダルラッシュで、やや影が薄くなっている7月期のドラマが出揃い、8月3日放送の「週刊フジテレビ批評」では、ドラマウォッチャー4人による恒例の辛口放談が行われた。

 コラムニストの吉田潮氏とドラマ考察YouTuber、大島育宙が今期の第1位に選んだのが“かぞかぞ”こと「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」(NHK)。主演は今年1月期、社会現象にもなった“ふてほど”こと「不適切にもほどがある!」(TBS系)でいっきに全国区となった河合優実だ。

 この作品は昨年の5月~7月、NHK BSプレミアムで放送され、河合は本作が連続ドラマ初主演。“ふてほど”のプロデューサーは、同作を見て河合を抜擢。さらに、“かぞかぞ”で河合の父親役を演じた錦戸亮に現場での様子を聴き、確信をもってキャスティングしたという。ちなみに“ふてほど”では錦戸と河合は夫婦役だった。

 果たして、地上波で放送が開始された“かぞかぞ”はさらに人気を博し、再放送と知りながら、ドラマ通の吉田氏と大島が今期の1位に選んだことも“中押し”となっただろう。“ふてほど”後、4月期にテレビ東京系で放送された「季節のない街」、そして放送中の「新宿野戦病院」(フジテレビ系)と立て続けに脚本作品がオンエアされているのが宮藤官九郎氏である。

 その「新宿~」で、多くの視聴者が声を挙げたであろう女優が、橋本愛が演じる舞が代表を務めるNPO法人「Not Alone」のスタッフ役を演じる中井千聖(なかい・ちさと)だろう。中井は“ふてほど”で携帯ショップの店員、若井役として出演。阿部サダヲから「若ハッシュタグちゃん」と呼ばれたシーンは特に印象的だった。

 “ふてほど”後も、「Destiny」(テレビ朝日系)や「柚木さんちの四兄弟。」(NHK)に出演しているし、現在オンエア中の「ふくしまプライド。」の「桃」篇などにTOKIOと共に出演している。松尾スズキ氏率いる「大人計画」の所属だが、“他流試合”も多数経験。同事務所所属の池津祥子や伊勢志摩、猫背椿、そして平岩紙のような個性派女優として羽ばたく予感がする25歳だ。

 CMと言えば、「サイボウズ」のキントーンで豊川悦司と、「リクルートエージェント」で高橋一生や柳楽優弥と共演している円井わん(まるい・わん)も“ふてほど”女優の一人である。テレビ局に務める仲里依紗の後輩ADで妊活中だった…と言われれば思い出していただけるだろう。

 今年公開された短編「光はどこにある」(野木麗未監督)で主演映画は3本目。今年だけで計12作のドラマと映画に出演する26歳だ。ちなみに、珍しい芸名は、犬に似ているとよく言われたことで「わん」、10代の頃、尖っていたため、当時の事務所スタッフらから、丸くなってほしいと希望されて「円井」だそうだ。

 “ふてほど”で知名度を上げ、引っ張りだこになっている実力派&個性派女優は河合優実だけにあらず。円井わん、中井千聖の今後に注目したい。

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