宝塚 雪組トップ彩風咲奈 本拠地に別れ「宝塚が、男役が大好きです」

 10月13日に退団する宝塚歌劇団雪組トップスター彩風咲奈が11日、兵庫・宝塚大劇場で「ベルサイユのばら-フェルゼン編-」の千秋楽を迎え、本拠地に別れを告げた。

 サヨナラショーでは「ベルサイユのばら」の『ばらのタンゴ』や『オマージュ』など「憧れの詰まった場面。最後まで、男役として新しいことに挑戦したい」と新しいショーをあえて選んだ。「初舞台が羽山紀代美先生(のラインダンス)で、羽山先生の最後の振り付けも選びたいと思ったので」と昨年6月に他界した宝塚の名振付家へのオマージュであったことも明かした。

 「羽山先生の振りは何も飾りのない黒燕尾だったので、最後は緑の袴で」と、黒紋付に緑の袴の正装で最後の大階段を降りてきた彩風。組からは次期トップの朝美絢、同期生からは元雪組トップ娘役の舞羽美海が花束渡しのプレゼンターとして登場。白いばらの花束を受け取ると「宝塚が大好きです。男役が大好きです。雪組が大好きです」と振り返った。最後の大階段は「すごく研ぎ澄まされていた。一人では見られなかった景色」と仲間に感謝。「幸せなことばかりではなく、悔しかったものも、果たせなかった思いもありました。決して忘れたく人がいます。忘れられない思いがあります。それらが私を強くいさせてくれました。その全ての思いを抱きしめてここに立っています」と尽きせぬ思いを口にした。

 そのうえで「まだまだ重ねたい夢があります。一人では見られなかった夢を、お客さまと仲間が見せてくれました。本当に幸せな気持ちでいっぱいです。千秋楽を迎えましたが、まだまだワクワクと、ときめきが止まりません。宝塚のため、雪組のため、お客さまのため頑張りたい」と東京千秋楽までの全力疾走を誓っていた。

 東京宝塚劇場は8月31日~10月13日。

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