宝塚 星組「記憶にございません!」礼真琴主演で三谷幸喜作品を舞台化「星組らしい作品」

 宝塚歌劇団星組公演「記憶にございません!/Tiara Azul -Destino-」が17日、兵庫・宝塚大劇場で初日を迎えた。三谷幸喜脚本・監督の大ヒットの政界コメディ映画「記憶にございません!」を潤色・上演台本・演出・石田昌也で宝塚で舞台化。憲政史上最低の支持率を叩き出した総理大臣・黒田啓介をトップスターの礼真琴が演じた。

 黒田総理が記憶を無くしたことで巻き起こす騒動を描き、啓介は自分が行ってきた不倫、汚職、暴言等、数々の悪行を知り唖然。国民の為に襟を正し、真摯に政治に向き合っていくが…。礼はメリハリの利いた芝居と表情で良質のコメディに仕上げた。

 今作品で退団するトップ娘役の舞空瞳が啓介の妻・聡子を演じた。もともと原作がある作品ゆえに、いわゆる宝塚のトップ娘役らしい役柄ではないが、舞空が演じることで役にキュートな魅力を加えた。

 首相秘書官の井坂を演じた暁千星は銀縁眼鏡のインテリイケメンぶり。記憶喪失の総理を裏で糸を引き業務を遂行するクールさとラストの笑顔の対比が清々しい。秘書官補・野々宮万作の天飛華音、事務秘書官・番場のぞみの詩ちづるも井坂と3人での出番が多い。

 極美慎は政治の裏表に通じたフリーライター古郡祐を骨太に演じた。また黒田総理と同級生の小野田治役のひろ香祐が振り切った演技と扮装を見せていた。

 宝塚では珍しい日本の政界コメディだが、「田原坂46」といったご当地アイドルグループも登場。オープニングの礼の開演アナウンスや、選挙ポスターのキャッチコピーも凝り、ラストの聡子から啓介への問いかけは、これまでの2人の舞台に重ね合わせるなど、随所に宝塚らしさを出したものとなった。

 ショーは演出家・竹田悠一郎の宝塚大劇場デビュー作で、アルゼンチンのカルナバルを舞台に繰り広げる、パッショナブルな作品。幕開きからテンポよく、緩急があり飽きさせない。礼や暁千星ら歌って踊れるショースターがそろっているだけに、見応えのある作品に。名ダンサーとして鳴らした舞空の最後にふさわしく、コンビを組んだ礼らとのダンスシーンもたっぷり。舞空の最後にふさわしい作品となった。

 礼は初日の舞台あいさつで「関東の方でも台風や、そして少し前には地震もあり、皆様も不安の中、今日この劇場に来られるかどうか…と思いながらも来てくださった方もいらっしゃるかと思います。私たちもそんな不安を抱えながらも、今日無事にこうして初日の幕を開けることができ、劇場一杯に、お客様がいてくださることの安心感と喜びを同時に感じております」とお礼。さらに「お芝居、レビューともに、夏真っ盛りにぴったりな星組らしい2作品となっておりますので、今日から皆様とともに笑い、楽しみ、そして盛り上がっていきたいと思います」と呼びかけた。

 宝塚大劇場は9月22日まで。東京宝塚劇場は10月19日~12月1日。

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