２０２３年から休養していた歌手・氷川きよし（４６）が１７日、東京ガーデンシアターで、デビュー２５周年記念ツアーの初日公演を行い、１年８カ月ぶりに歌手活動を再開した。１６日に初日を迎える予定だったが、台風７号の影響による公演延期のため、満を持して１７日に復帰。ブランクを感じさせない歌声を響かせ、完全復活を果たした。

　氷川は客席へ深く一礼＆手を振り、１年８カ月ぶりにステージへ帰還。その表情は、スパンコール衣装に負けないほどのキラキラした笑顔。一曲目は「♪どれほどたくさんの人に励まされここまで来たんだろう」というフレーズから始まる「ＷＡＬＫ」を選択。「皆さんありがとうございます！今日は思い切り楽しんでください！」とあいさつし、広がる景色を噛みしめるように見渡した。

　ツルツル美肌＆抜群のスタイルで、ビジュアルは最高潮。歌声は以前にも増し、伸びやかにハイトーンボイスが響く印象だ。演歌曲は力強いこぶしとロングトーン、ポップス曲はハイトーンとシャウトが突き抜ける。下積み時代に培った広い音域を生かし、ジャンルレスで色気ある歌声を響かせ、観客６５００人をたちまち魅了した。

　序盤から後半戦までほぼノンストップで歌い続け、氷川は「改めまして氷川きよしこと、ＫＩＩＮＡ．でございます。ご無沙汰してすみません。楽しみにしていました」とあいさつ。この日はシンガポールや台湾から訪れたファンも見られ、「おかえり」と書かれたボードを見つけて「えぇ～うれしい～。誰もいなかったらどうしようと思っていた」と感激した。

　「泣きそうだけど、意地でも泣かない」と心に誓ったが、父への思いを歌う「Ｆａｔｈｅｒ」、天国への愛犬への追悼歌「きみとぼく」では「うぅ…」と泣き声を漏らした。「話をするより、曲で歌えて幸せです。１人では何もできないけど、たくさんの人に支えられてこの日を迎えられた」と頭を下げ、「これからも私のことをよろしく申し上げます！頑張ります！」と気合を入れた。

　３時間のショーでは、純白の燕尾服、紋付袴、デニムのセットアップ、ドレス＆パンツのオールインスタイルへ５回の衣装チェンジ。ユニセックスで“ありのまま”のスタイルを貫き、「箱根八里の半次郎」「きよしのズンドコ節」「限界突破×サバイバー」など新旧織り交ぜた全３２曲を完全歌唱した。客席を練り歩き、投げキッス＆ハグでファンと交流した氷川は「最高！皆さん！はぁ～気持ちいいね。忘れませんこの日を！」と叫んだ。