主演は広瀬すず!カズオ・イシグロ氏の長編小説「遠い山なみの光」日英合作で映画化

 女優の広瀬すず(26)が2025年夏に公開される日英合作映画「遠い山なみの光」に主演することが22日、分かった。

 第2次世界大戦後間もない1950年代の日本と80年代の英国を舞台に、時代と国境を超え、交錯する“記憶”の秘密をひもとくヒューマンミステリー。原作は英国のノーベル文学賞作家・カズオ・イシグロ氏(69)の長編小説デビュー作で、映画「ある男」で昨年の日本アカデミー賞最優秀作品賞を含む8部門を受賞した石川慶監督(47)がメガホンを取る。

 広瀬が演じるのは長崎で原爆を経験し、戦後英国へ移り住んだが、夫と長女を亡くし、郊外で1人暮らしを送る主人公・悦子。そんな中、久しぶりに次女・ニキと再会。生活をともにする中で、長崎にいたころに知り合った女性と、その幼い娘に関する「夢」について語り出す。

 今作の演技について「不安感を抱きながら演じる、そんな日々でした」と苦悩を明かした広瀬。それでも「難しくて悩みながらでしたが、不穏な緊張感を感じるたび悦子に近づいているのを確信し、心強い座組のなかお芝居できた事がとても宝物のような時間でした」と手応えを語った。エグゼクティブ・プロデューサーとして名を連ねるイシグロ氏も、広瀬に対して「国際的な舞台において、今最もエキサイティングな若手俳優の一人」と信頼を寄せた。

 戦後80年、節目での公開を「あの忌まわしい出来事の終結から80年を迎えるこの時期に、この映画が公開されることは、なんと相応しいことでしょう」と前向きに語ったイシグロ氏。広瀬も「希望を捨てず、光に向かって。まだまだ気が早いですが皆様に届く日まで、待ち遠しいです」と期待を込め、呼びかけた。

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