山田洋次監督 「男はつらいよ」制作秘話明かす「無理やり作ったから失敗したらおしまいかなと」
映画「男はつらいよ」の「55周年記念ファン大感謝祭」が27日、都内で行われ、シリーズを手がけた山田洋次監督が出席した。
この日はシリーズ第1作目が公開された日で、山田監督は「この作品がこんなヒットするなんて全然思ってもないし、どっちかって言うとあまり会社が乗らなかった企画だった」という。「話が平凡でしょ?変な男が美女に振られてしょんぼりしちゃって、なんだよそんなのつまんねーっていうのは一般的な評価よ」とその理由も明かした。
映画制作時は「あんまり元気なかった」といい「これ失敗したら監督を降りなきゃいけない。つまり無理やり作りたくて作りたかったからね、失敗したらおしまいかなと思ってた」と回想した。
公開から55年経過し、シリーズは50作品にも上る国民的映画となったが、山田監督は「観客が笑うとも思わなかった」とぽつり。「だから映画館にも行かずに家でゴロゴロしてたらプロデューサーに呼ばれて『すぐ来いよ、客が笑ってるよ』って(言われて)。電車に乗って急いで行って、映画の扉を開けて入ったら、ドウって笑い声してびっくりした」と、予想外の反響に驚いたという。
また「(映画が)出来上がった時はどこもおかしくないと思ってた。真面目な映画だなと思ってた」といい、「真面目に作った映画でお客さんが笑ってくれるっていうのが僕にとっては幸せだったね」と笑顔で語った。