“シアターの女神”村山彩希 歴代最多1300回出演 1日に改修前ラスト公演のAKB48劇場に思い

 2005年に開場した東京・秋葉原のAKB48劇場が9月1日の「AKB48劇場リニューアル前最終公演~6843日6552公演の思い出をありがとう~」をもって改修に入る。19日に劇場公演通算1300回という歴代最多出演を重ね、“シアターの女神”と称されるAKB48村山彩希(ゆいり=27)が「原点」という現劇場への思いを語り、19周年となる12月8日に再び幕が上がる新劇場への期待も明かした。

 誰よりもAKB劇場に立ったからこそ複雑な思いも抱いた。改修決定を聞いた時は「悲しかった」のが本音。「第2の家でパワースポットでもあるし、学びの場所だった。自分が育ってきたのはこの劇場。大幅に変わるのでさみしい」。劇場のフロアをかみしめるように見渡した。

 約13年間の在籍で歴代最多の劇場出演回数に到達。「楽しくステージに出ていたら、いつの間にか1300回だった」。チーム制があった時は、体調不良などのメンバーが出た場合にA、K、B、4の4公演どれでも代わりに出演できるように備えてきた努力の結果、積み上がった数字でもあった。

 村山ら13期生が加入した11年はグループ絶頂期。初選抜は加入から6年以上たってからだった。「最初に楽しいだけじゃない現実を見た。人と比べられて、どうすれば人気が出るのか、ゴールが見えなかった。学校にも行けない日が続いて研究生の時に一度は活動辞退を決めた。明日にはブログで卒業発表が出ます、というところまでいった」。ただ、それを引き留めてくれたのも当時の劇場スタッフらだった。

 何より村山が思いとどまったのには先輩メンバーだった中田ちさとの存在もあった。「先輩が苦手だったけど、ちいちゃん(中田)だけは寄り添ってくれた」と感謝する。選抜メンバーは劇場以外の仕事が増える中、「ちいちゃんは選抜ではなくてずっと劇場に出続けていて『劇場を守る大切さは後輩に伝えたくても伝わらない部分があるんだよね』って言われた時に自分が守っていきたい気持ちが生まれた」と“シアターの女神”を目指すきっかけとなった。

 そこからの活動は劇場に重きを置いた。村山は選抜入りした際に外部の仕事が増え、劇場出演の機会が減ったことで大泣きしたこともあるほど。立候補制になってからは選抜総選挙にも出なかった。「別に(総選挙を)否定するわけでもない。そのやり方に自分が向いていないし、ファンにも負担をかけたくなかった。だったら劇場に会いに来てほしかった」と欠場した真意を語り、劇場に出続けることでも人気メンバーとなれることを「証明したかった」と固い意志を貫いてきた。

 東京ドームなどでライブを経験しても「私が一番好きなのはAKB劇場」と改めて強調した。「会いに行けるアイドルというコンセプトがある通り。劇場の距離の絶妙な近さが魅力」と専用劇場のよさがある。9月2日から村山プロデュースの「AKB48劇場工事中出張公演」として全国を回り、12月8日に秋元康氏書き下ろしのオリジナル新公演で、こけら落としされる新劇場には「もっと夢の国みたいな世界観になる」と予告した。

 村山は新劇場にもまだまだ立ち続ける。「(最多)記録は誰にも抜かれたくない」と意欲を見せ、「私にとって劇場はAKBにいる意味。喜怒哀楽をここで全てさらけ出した。この劇場に一生をかけて恩返ししたい。リニューアルしてもシアターの女神でいられるように頑張りたい」と決意をにじませた。

 ◇村山彩希(むらやま・ゆいり)1997年6月15日生まれ。神奈川県出身。11年に13期生として加入。51枚目シングル「ジャーバージャ」で初選抜。20年に劇場史上初の出演回数1000回達成。18年にはチーム4キャプテン就任。劇場公演では17年の16期研究生が行う「レッツゴー研究生!」や今年2月に初日を迎えた「今日は誰に恋をする?」公演をプロデュース。愛称は「ゆいりー」。身長157・8センチ。血液型O。

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