ドラマ「SHOGUN 将軍」エミー賞で18冠の快挙達成 主演女優賞のアンナ・サワイは感涙「夢のよう」
米テレビ界最高の栄誉とされる「第76回エミー賞」の授賞式が15日(日本時間16日)、ロサンゼルスで開かれ、日本の戦国時代を舞台にした歴史ドラマ「SHOGUN 将軍」で俳優・真田広之(63)が主演男優賞を獲得した。真田は「あなた方から受け継いだ情熱と夢は海を渡り、国境を超えた」と日本の時代劇関係者らに感謝した。同作はアンナ・サワイ(32)の主演女優賞のほかにも作品賞、監督賞など18冠を達成。壇上で浅野忠信(50)、平岳大(50)、西岡徳馬(77)ら共演者も笑顔だった。
細川ガラシャがモデルの敬虔(けいけん)なキリシタンの通詞・戸田鞠子役で主演女優賞を獲得したサワイは感激の涙を流した。
スピーチでは堪能な英語で「名前が呼ばれる前から泣いていました。素晴らしい賞をありがとうございました」とあいさつ。「私を信じて、素晴らしい役をくれてありがとう。クルーとキャスト一人一人のみなさん、そして真田さん、彼は私のような俳優にドアを開いて、チャンスを与えてくれました」と興奮気味に感謝を伝えた。
ニュージーランドで生まれ、香港などでも暮らし10歳で日本に帰国。2004年にミュージカル「アニー」で主演を務め、14歳でエイベックスの大型オーディションに合格。2013年からガールズグループFAKYのリーダーとして活動していたが、夢である女優業に専念するために19年にグループを脱退。映画「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」(21年)で主要キャストを務めるなど多数の海外作品に出演する国際派だ。
アジア人で初の主演女優賞という歴史的快挙を成し遂げ「夢のようで本当にまだ信じられてない、明日起きたら一回つねってみたいです」と笑顔を見せた。
◆エミー賞 米テレビ芸術科学アカデミーが主催し、配信を含むテレビ分野のうち、ドラマやバラエティー番組などでの優れた業績をたたえる賞。1949年に第1回授賞式が開かれた。アカデミー賞(映画)、グラミー賞(音楽)、トニー賞(演劇)と並ぶエンターテインメント界の最高峰の1つとされる。
◆「SHOGUN 将軍」 「関ケ原の戦い」をベースに、五大老の1人・石堂和成(平)と対立する武将・吉井虎永(真田)が、野望と策略を巡らせる物語。ほぼ全編日本語で字幕を多用した。虎永のモデルは徳川家康。伊豆に漂着し、虎永の家臣になる英国人航海士・按針(コズモ・ジャーヴィス)の視点を通じて武家社会の風習も描かれる。