現役JKの演歌歌手・梅谷心愛 曽祖母の影響であふれる美空ひばり愛 昨年7月メジャーデビュー

 演歌歌手・梅谷心愛(こころ=16)がオタクを極めている。幼少期から昭和の大スター・美空ひばりさんを崇拝。19年にテレビ朝日系「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」に出演した際には「美空ひばり博士ちゃん」として、その博識ぶりで驚かせた。昨年7月にメジャーデビューし、プロ歌手として歩み始めて「表現はひばりさんから学ぶことが多いけど、まだできないことが多い」と美空さんの大きさを痛感。40分間の取材で“ひばり愛”を呪文のようにしゃべり倒した。

 梅谷は開口一番、ひばりさんとの“出会い”を回想した。「ひいおばあちゃんとよくカラオケに行っていて、ひいおばあちゃんが歌うひばりさんの歌をよく聴いていた。私も5歳くらいから自然とひばりさんの歌を口ずさんでいて、ひばりさんの歌が一番自分が落ちつく物。聴きたくなるし、歌いたくなるんです」。曽祖母&祖母に影響され、幼少期から“ひばりミュージック”で育った。

 ひばりさんを強く意識したきっかけは、6歳の頃に見た「不死鳥コンサート」のDVDだった。88年4月11日、美空さんが東京ドームで病からの復活をかけて行った伝説のコンサート。「DVDを見た時にすごいまぶしくて格好良くて。ただ何となく切ない気持ちにもなってきた。この方の人生はたぶんいろんなことがあったんだろうなって」。そこから興味が湧き、ひばりさんを追い始めた。

 ジャズ好きの父、音楽を聴かない母。自身は07年生まれながら隔世遺伝でひばりさんにハマり、動画を見まくって“ひばり考察”が進んでいる。「例えば『みだれ髪』は、すごく細かくて狭めなビブラート。逆に『柔』『男』は、幅も広くて大きめのビブラート。曲ごとにテクニックが全く違う。その曲の世界観に入り込んで細かい計画がされたからこそ、こちらにも安心して世界観が届いてくる」と熱弁をふるう。

 別の話題を振ろうと思えば「表情なんですけどね?」と食い気味にカットイン。「ひばりさんは表情を無駄に動かさずにここぞという所でカメラ目線を送る。まばたきの回数も曲によって全然違うんですよ。『関東春雨傘』『歌は我が命』は決意を画面越しに伝えるためか、まばたきが少なめ。『哀愁波止場』のセリフの時は、斜め下を見てまばたきが多め。主人公が泣きそうになっている切なさを表現しているのかなって」。考察はかなり自信があるという。

 歌手業を離れれば、現役JK。同級生はTikTokでバズった曲やK-POPに夢中で、ひばりさんで知っている曲は「川の流れのように」「愛燦燦」止まりだという。昭和歌謡にどっぷりであだ名は「梅ばあ」という梅谷だが「2曲以外にも素晴らしい曲はもっとあるって伝えたい。知らないで終わってほしくなくて。カラオケはひばりさんの歌を入れます」と布教活動に努めている。

 自宅の一角にある“推し活コーナー”には、CD、DVD、レコード、オルゴールと収まりきらないほどのお宝が並ぶ。記者が「未開封のDVDは開けないのか」と問うと、「大事な時に開けたいなって。日本レコード大賞新人賞を狙っています!DVDは2枚組なので、紅白初出場した時に見たい」と夢実現の時まではお預けと説明した。

 ひばりさん尽くしの40分間の取材を終え、梅谷は「まだしゃべり足りないですね…」と名残惜しげにしていた。

 ◆梅谷心愛(うめたに・こころ)2007年10月26日生まれ。福岡県出身。小学6年で歌手を志し、18年にテレビ東京系「THE カラオケ☆バトル」や日本テレビ系「歌唱王」に出演。20年に上京し、本格的な歌手活動をスタートさせる。23年7月に「磐越西線ひとり」でメジャーデビューした。今月26日に東京・かめありリリオホールでファーストコンサートを開催する。特技は歌とフラフープ。身長161センチ。

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