宝塚 希代のトップ礼真琴「110周年を全うして卒業」「武道館があるのでみんな薄々覚悟」
来年8月10日付けで退団する宝塚歌劇団・星組トップスターの礼真琴(れい・まこと)が24日、大阪市内のホテルで退団会見を行った。退団公演は宝塚大劇場同4月19日開幕の「阿修羅城の瞳/エスペラント!」となる。
退団を決めた時期については、特にこのときというのはなく、「主演という立場になってから頭の片隅に卒業というのはあった」と明かした。「お披露目の途中でコロナで全て止まり、いまやっと完走できる状態になって、この110周年という年を全うして、この時期にと、卒業を決意した」と語った。
組の仲間に伝えたのは「前楽の日」と「記憶にございません!/Tiara Azul -Destino-」の千秋楽前日の21日だと明かした。現役では3人目となる日本武道館公演「ANTHEM-アンセム-」(2025年1月18日~1月21日)の開催を発表していることもあり「みんな薄々に(感じていた)。覚悟した状況での空気感の中、かみしめるように聞いてくれた」と振り返った。「記憶に-」で退団する相手役の舞空瞳には「お稽古が始まるころに。お互いに卒業に向けて何ができるか、話し合った。精いっぱい頑張ろうと」と2人の中でのカウントダウンを明かした。
礼は2009年初舞台の95期の首席。三拍子そろった男役として、早くから注目されてきた。以前、演出家が「礼は100%。完璧すぎる」と評したほど。この日も村上浩爾理事長が「全身全霊で舞台に向き合い、勇気と希望、元気を与えてくれた。キレッキレのダンス、熱く訴える歌唱力、人間味あふれるお芝居、三拍子そろった圧巻のパフォーマンス。希代のトップスター」と礼を紹介した。
だが礼自身は「歌もダンスも大好きだけど、それができているかというかというと、足を引っ張っている下級生時代。舞台に上がっているからにはがむしゃらに、期待していただいている分、お返ししないと。猪突(ちょとつ)猛進に走ってきた」と振り返った。そんな当時の自分に「ヤケになってやらなくても、と言ってあげたい。アドバイスも耳に入らず、理解できなかった」と苦笑い。当時の苦悩を明かしていた。