中国出身の東大准教授 高市早苗氏の靖国参拝継続宣言に不快感「許せる要素はゼロ」 BSフジ「プライムニュース」で連日の高市氏批判

 中国出身の李昊(り・こう)東大大学院准教授が24日、BSフジの報道番組「プライムニュース」に出演。27日に投開票が行われる自民党総裁選に立候補している高市早苗経済安保相が、総理就任の際にも公的に靖国神社参拝を続けることを宣言していることに触れ、「許せる要素はゼロ」などと激しく非難した。

 番組では、終盤戦を迎えている総裁選について、李氏と元駐中国大使の宮本雄二氏、神田外語大学教授の興梠一郎氏をパネリストとして特集。高市氏が同番組で、総理に就任した場合も靖国神社への公式参拝を継続すると明言したことについての日中関係への影響を問うた。

 これに李氏は厳しい表情で「壊滅的なダメージですね」とバッサリ。「歴史問題は(日本にとって)言わば一番の『負け戦』。何をどうやっても、アメリカからも支持されませんし、アジアからも支持されません。日本の国内の右翼の支持以外に何も得られない」と言い切った。

 また、中国国民の対日感情は「全体的な傾向としては回復傾向なんです」とし、「それはもう完全に霧散しますよね」と警告。「私も中国出身ですけれども、感情的に許せる要素はゼロですね。侵略者を神と奉っているところに日本の総理大臣が参拝するっていうのは、日本の大戦に対する反省を全て無にするもの。何も自分は反省してないと、侵略者を神として尊敬してそれに拝みに行くというのは」と不快感を明確に表し、「今の日中関係は幸い、歴史認識問題がほとんど取り沙汰されていない。でも靖国神社を参拝すれば、またフォーカスがそこに集まるので、百害あって一利なしですよね」と切り捨てた。

 宮本氏も、小泉純一郎氏が首相在任時に靖国神社を参拝したことで日中関係が崩壊し、日本の外交力が著しく弱化したと指摘。仮に高市氏が首相就任後に参拝を続けた場合は「首脳会談はないでしょうね。全部(関係性が)切れますよ」とし、「高いレベルの対話はゼロ。そして中国国内での反日気運はさらに盛り上がってきます」「靖国を参拝することによって、(中国の感情を)大きく刺激しますよ」として、中国在住の日本人の身の安全にも不安感を示した。

 宮本氏はその上で「中国の靖国参拝批判は間違ってると私も思う」とも発言。自身の経験を踏まえ、「中国の有識者に長い時間かけて説明して、やっとそうだなと思ってくれる類いの問題。時間的な余裕も何もないですから」とし、拙速な決定に警鐘を鳴らした。

 一方で興梠氏は「在中国の法人ですね。そこにとばっちりが…」としつつ、「彼らもともと、あんまり靖国問題って騒いでなかったんですよ。70年代ぐらいじゃないですか?」と指摘。司会者が「(外交)カードとして成立することを知っちゃったからです」と話すと。「でしょう。それは『誰がそうしたんだ?』と当時騒がれたじゃないですか。(中国側が)本気でそう思ってるのかどうか」と持論を展開した。

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