斎藤元彦知事 失職→出直し選 高校生からの激励手紙で最終決断 議会解散は考えず無所属「一人でやっていく」

 会見を行った斎藤元彦兵庫県知事
 兵庫県庁で記者会見する斎藤元彦知事。失職を選び、出直し選挙に出馬すると表明した
 会見を行った斎藤元彦兵庫県知事
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 パワハラなどの疑惑を文書で告発された問題で、兵庫県の斎藤元彦知事(46)が26日、神戸市の兵庫県庁で会見し、30日付で自動失職し、出直し選挙に出馬する意向を表明した。辞職、議会解散については「考えていなかった」と説明。失職後50日以内に知事選が行われるが、政党からの推薦は受けず、無所属で出馬する意向だ。投開票日は11月10日か17日が候補に挙がっている。厳しい選挙戦となることを認識しながら「改革を止めるわけにはいかない」と最後まで県政への強いこだわりを見せた。

 午後3時、ゆっくりと会見場に歩を進めた斎藤氏は、無数のフラッシュの中で一礼し、立ったままマイクを握った。

 自動失職からの出直し選出馬を表明した後は、知事としての成果の羅列からスタート。10分近くがたち、ようやく疑惑告発文書問題について「県民におわびしたい」と頭を下げた。地元の高校生から激励の手紙をもらい出直し選を最終決断したと明かした際には、目に涙を浮かべる一幕もあったが、2時間15分の会見でほとんど表情は変わらなかった。

 不信任決議は議会開会日の19日に全会一致で可決。10日以内に議会解散か辞職・失職を迫られていた。議会解散の選択肢については「最初からなかった。私の対応が問題視され、自ら信を問うのが大事だ」と説明。辞職ではなく失職としたことには「間違っているところがあればしっかり改めて、4年間の任期を全うしたいという強い思いがあった。自ら職を辞することは考えていなかった」と持論を展開した。

 もし出直し選挙で再選した場合、辞職では来年7月まで、失職なら新たに4年間と任期に差が出るが、それが決断の原因ではないと主張した。

 告発文書を配布した元幹部の男性が死去したことに対し、知事の道義的責任を問う声も多く上がったが「大きな責任は感じる」と語るのみ。告発文書への初動対応についても従来の主張を繰り返すだけの姿に会場には徒労感が漂った。

 不信任決議案を可決させた県議会への“本音”も漏れた。疑惑を調査すべき百条委員会や、第三者委員会の結果を待たずに可決されたことに「議会の判断ではあるが、本当にそこまでいかなければいけなかったのか、という思いは正直あります」と胸の内を語った。

 選挙戦については政党からの推薦は求めず無所属として出馬する意向。現状では支援者などもいないといい、「一人でやっていくことになると思う。なかなか大変だと思いますけど」と自虐的な笑みを浮かべた。「新しい兵庫県を作っていきたい。昔の県政、いろんなしがらみの中で事業をやっていくことに戻っていいのか」と争点について語り、最後まで県政への強い意欲を強弁した。

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