名門校からミスインターナショナル 新進気鋭の女優・佐藤絵里佳が挑む20代ラスト舞台

 新進気鋭の女優として注目を集めている佐藤絵里佳(29)らが出演する舞台「T1project Musical ココロノカケラ」が25日、東京・銀座の博品館劇場で初日を迎えた。進学校から名門大学へ進学しながらモデルとして「ミスインターナショナル」に出場するなど、多彩な経験を誇る佐藤にとって、今作が20代ラスト作品。女優としてより一層の進化を目指し作品に取り組む佐藤が、その信念と夢を語り尽くした。

 母親がかつて大手芸能事務所に所属していたこともあり、4、5歳ごろから芸能界への興味を持ち始めたという佐藤。それでも「昔から変に現実主義というか、ちょっとひねくれた子どもだったので。ほんの一握りしか成功できない世界を本気で目指すことに抵抗があり、いろんな承認欲求を勉学や、人よりも誉められるような優等生であることに見出だしていました」との言葉通り、埼玉県屈指の進学校である浦和第一女子高校から青山学院大に進学した。

 在学中に「キャンパスコレクション東京2016」に参加し、ミスコンのファイナリストに選出されたことでモデル活動も開始。「ミスインターナショナル2018」の日本代表選出大会に出場し、代表候補の32人に入るなど高い評価を得た。自身も当時を「ウォーキングやビューティーセミナーなど、ためになることを沢山学べた期間でした」と振り返る。

 女優としての“目覚め”は「大学時代に学生サークルで、女子大生だけのミュージカルで男役をやり始めたのがきっかけだった」という。その後は就職活動も並行し、ある企業から内定も得ていたが、最終的に女優としての道を選択した。佐藤は「各ポイント、ポイントでご縁があって、それが網目状に拡がって、自分の活動幅や人脈も更に繋がって、今に至ってると思います」と述懐。中でもターニングポイントは「24歳から関わっている、とある映画チーム」とし、「監督とはもちろん、初期の俳優メンバーともかなり濃くて、製作面にもメインで携わって一緒にやってきたので、今も家族のような、とても大切な存在です」と明かした。

 波乱に満ちた女優人生。それでも「大きな挫折…。というのは浮かばないですね。恋がなぜか実らないことくらいでしょうか」とジョーク混じりに笑い飛ばす。「『挫折するような心が折れそうな出来事』というのはきっと何度かあったのですが、自分なりに闘って毎度ちゃんと打ち勝ってきた実感があるので、私のなかでは挫折にカウントされてないです」とキッパリ言い切った。

 そんな佐藤にとって、新たなターニングポイントともなりそうな今作。昨年9月に下北沢でストレートプレイとして初演された演目をミュージカルバージョンにリメイクしたもので、初演作よりもスケールアップした大作ミュージカルに仕上がっている。軍事侵攻が進んだ東京でが舞台で、記憶のおぼろげな人々がフードパントリーに集い、会話の末にそれぞれの結末を迎えていくストーリー。佐藤は「パリコ」という女性役で、「ギャルみたいな風貌、言動で、彼氏の『リョウ』と一緒にその場を引っ掻き回すクラッシャーのような存在なのですけど、最後のオチがなかなか切なくて、そこは楽しみに観ていてほしいです」とPRした。

 間もなく迎える30代に向けては、「役者としては…、とにかく、憧れの俳優の皆さまと同じステージに立てるよう日々精進していきたい」と宣言。「20代は『楽しく』俳優をやるというのが私のなかでテーマになってた気がしますが、30代はもう少しピリッと、『仕事意識』と『プライド』を明確に持って俳優活動をしていきたいです」と言葉に力を込めた。

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