橋本環奈 ギャルって心意気「好きなことを貫けるってすてき」NHK朝ドラ「おむすび」30日スタート

 女優の橋本環奈(25)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「おむすび」(総合、月~土曜、前8・00ほか)が、30日からスタートする。平成の時代を舞台に、やがて栄養士となる主人公・米田結が、ギャル文化と出会い「縁・人・未来」と目には見えない大切なものを結んでいく物語。初の朝ドラ出演となる橋本が、未知だったギャル文化や、1995年に発生した阪神・淡路大震災も真正面から描かれる今作への思いを語った。

 1999年生まれの橋本にとって、90年代後半から2000年代に流行した“平成ギャル”の文化はなじみ深いものではない。だが、その文化を学び、主人公・米田結として触れることで、自身の心に「ギャルって心意気なんだな」という思いが湧き出た。

 結が出会うギャル軍団には「好きなことを貫く、周りの目を気にしない」などの掟(おきて)が存在する。SNSなどの発達で、他者の目が至るところに存在する現代において「周りに何を言われても自分が好きだと思ったことを貫けるって、すごくすてきだなと思う」と憧れにも近い思いを口にした。

 劇中ではギャルメークにも挑戦。ド派手な金髪に長いつけまつげ、カラフルなネイルという強烈なビジュアルが話題を呼んでいる。その変貌ぶりは、写真を見た実の父親が娘だとは気付かなかったほど。「父が『これ、誰ね』って。本当に私に気付かなかったみたい。いや、私だろ!って」と笑顔で手応えを語った。

 今作では阪神・淡路大震災も正面から描かれる。結は生まれてから6年間を神戸で過ごし、95年に震災を経験する。実際の震災当時まだ生まれていなかった橋本は、未曽有の災害を取り上げることについて「つらいフラッシュバックにならないように、でも、うそは描きたくない。本当に丁寧に描かなければならない」と細心の注意を払う。常に被災者の思いを想像しながら「セリフひとつひとつが重くのしかかるような感覚がしています」と試行錯誤の中で撮影に挑んできた。

 放送が半年間に及ぶ朝ドラのヒロインとして、経験したことのないほど長い時間、結と向き合う。「ぜいたくですよね、本当に」と環境に感謝するが、序盤の結と自身を比較して「共感する部分はあまりないんです」とも語る。

 結が自分の夢を持つことについて思いを巡らせる場面があるが、橋本自身は夢への価値観が少し異なるという。「9歳からなんとなくテレビに出たいって思ってきて、夢のために、というよりも、すごく現実の中で仕事をしてきたと思う」と振り返り、「結ちゃんは『自分の好きなことをやるなんて』という感じ。私はわりと好きなことをやれている方なので」と悩むよりも夢見た世界で必死に走ってきたという。

 今後も続く長期間の撮影。最も大事なものとして「健康」を挙げ「乗り切るためには心と体が健康じゃないと成り立たない。自分で自分の機嫌を取りたいって思います」と語った橋本。撮影期間中は週末が休日となり、スケジュールが固定されているため、家族との旅行も計画中。「とにかく我慢はしない。仕事もプライベートもできるだけ楽しみたい」と笑顔を見せた。心身共に健やかに大役に挑んでいく。

 ◇橋本環奈(はしもと・かんな)1999年2月3日生まれ。福岡県出身。女性ローカルアイドルグループ「Rev. from DVL」の一員として活動中の2013年、福岡のイベント中にファンが撮影した写真が“千年に一人の逸材”と評判に。16年公開の「セーラー服と機関銃 -卒業-」で映画初主演し、日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞。舞台「千と千尋の神隠し」に千尋役で出演。22年から2年連続でNHK紅白歌合戦の司会を務める。

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