【山田美保子のミホコは見ていた!】「喫茶しのぶ」にワクワクし、そそられた

 「台本ナシ、よってカンペもなし。カメラも、ほぼ隠し撮りスタイル。独特の空気感が、けっこうな快感でございました」とは、9月28日午後1時12分、「喫茶しのぶ」のエントリでアップされた坂上忍のオフィシャルブログ「綺麗好きでなにが悪い!」の一文だ。

 同日午後4時から日本テレビで始まったのは、オーナーの大竹しのぶ、店長の坂上、アルバイト店員のシソンヌ長谷川忍が“お忍び”で通うお客を迎える「喫茶しのぶ」。昭和の香りただようレトロな店内でゲストの光石研、劇団ひとり、ガクテンソクらがどんな化学反応を見せるのか、終始、興味深く見せてもらった。

 何より11月1日から主演舞台「太鼓たたいて笛ふいて」が始まる大竹と、連続テレビ小説「虎に翼」(NHK)に続き、9月30日にスタートした「おむすび」(同)にも出演するなど俳優業も忙しい長谷川。そしてタレント、俳優、エッセイストやユーチューバー、キッズアクタープロダクション「アヴァンセ」の総合プロデューサーなどの肩書をもち、自立型の動物愛護施設「さかがみ家」を情熱的に運営する坂上という超多忙な3人のスケジュールを押さえ、企画にも名を連ねた同局のプロデューサー劉雅莎氏には大拍手を送りたい。

 坂上によれば、「有吉ゼミ」のスタッフに新たに加わった劉氏とロケに出た道中、「面白いことをやりたいね」と雑談をし合った数週間後、「複数の企画書を持ってきたガッツあふれる女性」だとか。ロールを見たら、「喫茶しのぶ」には女性スタッフが他番組よりも多く、それも新鮮だった。

 近年、現場でよく聞かれるのは、似たり寄ったりの企画が多いことを嘆くベテランのテレビマンや演者たちの声である。たとえ、こすられまくっていたとしても確実に視聴率を獲得できる人気テーマパークや商業施設などをロケ先に選んでしまう気持ちはわからなくはないし、この数年、グルメ番組が激増した理由も手に取るようにわかる。一般的にそれらの企画は社内で通りやすく、スポンサー受けもいいからだ。

 その昔、番組に飽きてしまうのは制作スタッフ、出演者、視聴者の順だと言われたものだが、それも怪しくなって久しい。そんな中、演者が「ワクワク」し、「そそられ」た「喫茶しのぶ」。“次”があるとしたら、「踊る!さんま御殿?」(同)で毎回いい仕事をする中山忍の参戦をオススメしたい。

 TVerで1ヶ月間見逃し配信あり。「喫茶しのぶ」、必見だ。

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