ドン・ファン元妻、売人との接触日に「覚醒剤 過剰摂取」と検索 検察側の「強い状況証拠」に 元刑事が見解

 「紀州のドン・ファン」と称された和歌山県田辺市の資産家野崎幸助さん=当時(77)=に覚醒剤を摂取させ殺害したとして、殺人罪に問われた元妻須藤早貴被告(28)の裁判員裁判(1日、和歌山地裁)で、検察側証人として出廷した男性が被告に覚醒剤を売ったと証言したことを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は2日、デイリースポーツの取材に対して見解を語った。

 起訴状などによると、須藤被告は2018年5月24日、野崎さんに致死量の覚醒剤を摂取させ殺害したとしている。

 証人の男性は尋問で「18年4月7~8日に注文を受け、同市の暗い路地で、4~5グラムの覚醒剤を被告に10万~12万円で販売した」と説明。被告は「旦那には知られないようにしている」と話したという。

 検察側は、須藤被告が覚醒剤の密売関係者に致死量の3倍の3グラム以上を注文し、十数万円を支払い入手したとしているが、同被告は「殺していないし、覚醒剤を摂取させたこともない」と無罪を主張している。

 “密売人”だった証人が出廷した経緯について、小川氏は「この男性は服役して既に出所しています。この件で逮捕されたかどうかは分かっていないが、検察側がこの売人を取り調べた段階で須藤被告の写真等を提示し、売った相手が、この者(須藤被告)だということで証人出廷となった。『取材等をされるのが嫌なので、衝立てで顔を分からなくしてくれ』といった要求があったと聞いています。そのようにして、実際に出廷となったのだろう」と説明した。

 野崎さん宅で寝室のある2階の洗面台や歯ブラシなどからも覚醒剤成分が検出されていた。

 小川氏は「“健康アプリ”によって、被告が8回も2階に上がっていたことが分かっている。その点から考えるに、無理矢理に飲ませたのではなく、何らかの方法で本人が自ら飲むように仕向けたのではないかとも推測される。被告は『今、野崎さんが、どういう状態なのか』ということを考えながら、4時間の間に何度も2階に上がり、結果的に8回も上り下りしたしたということは、野崎さんの様子を見に行っていたことは間違いない。また、覚醒剤を摂取してもすぐに亡くなるわけでないということを考えれば、その後の歯磨きやうがいなどによって、覚醒剤が歯ブラシやコップなどから検出された可能性は考えられる」と指摘した。

 また、都内の須藤被告宅からも微量の覚醒剤成分が検出されていた。小川氏は「須藤被告の自宅から検出されたのは19年7月の家宅捜索です。当初は18年6月に須藤被告が住んでいた新宿区区内のマンションを家宅捜索し、その後も転居する度に和歌山県警の家宅捜索が入っている。19年時に検出されたということは、18年の事件発生時の薬物なのか、その後に使ったものなのかははっきりしないので、あくまでも状況証拠の1つ。ハイヒール、サングラス、パスポートケース等から検出されており、本人が触ったことは間違いないとしても、事件後に付着した可能性もある」と付け加えた。

 さらに、小川氏は「須藤被告は色々なワードをスマホで検索していた。4月7日夜から8日午前0時過ぎにかけて、この売人と接触したが、その4月7日、まさに売人と接触して覚醒剤を購入した日に『覚醒剤 過剰摂取』『覚醒剤 死亡』といったワードの検索履歴が残っていた。その日に覚醒剤を購入したと考えれば時系列的には合うのですが、やはり状況証拠の一つ。ただ、検察的には『強い状況証拠』だと捉えているのではないか」と解説した。

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