大山のぶ代さん死去 黒柳徹子、しずか役で共演の野村道子らが追悼 各界から悼む
国民的アニメ「ドラえもん」のドラえもん役で知られる声優で女優の大山のぶ代さん(本名・山下羨代=やました・のぶよ)が9月29日午後4時23分、老衰のため都内の病院で亡くなったことが11日、分かった。所属事務所が発表した。90歳。東京都出身。葬儀は親族のみで行われた。個性的なハスキーボイスで約26年にわたりドラえもんを演じ、幅広い世代から支持された。2015年に認知症を公表。17年に夫の砂川啓介さんが亡くなって以降は、介護施設に入所していた。
タレントの黒柳徹子(91)は20代から親交があった大山さんを追悼した。1960年代にNHKで放送された人形劇「ブーフーウー」など数多くの番組で共演。自身が司会を務める「徹子の部屋」にも何度も出演していた。
「大山のぶ代さんが亡くなった!」と衝撃を記し、「とても面倒見の良い人で、美味しいお菓子とか珍しい食べ物をスタジオに持ってきてくれたり、私がお芝居をやってる時は、毎回大勢のお友達にチケットを販売してくれて、大山さん団体一行という感じで劇場に観に来てくれました。芝居が終わった後に、みんなで一緒にワイワイ食事をするのが恒例でした」と思い出をつづった。
また「大山さんは旦那様の砂川啓介さんを、第一に考えて全面的に旦那様に尽くすタイプで、とても仲の良いご夫婦でした」とおしどり夫婦ぶりも明かした。「いつでも、私に優しくしてくださいました。今頃、天国でみんなで一緒にたくさんのお話をしていることと思います」と悼んだ。
◆水田わさび(現在のドラえもん役)「突然のご逝去の報に何をどう伝えればいいかわからないくらい心が動いております。それくらい偉大な役者さんであり、とてつもなく大きなバトンを受け取りました。今も演じる中で、大山さんがマイクの前に立つ背中を思い出します。これからも何度も思い出します。その背中に届くように、のび太君たちとこれからも冒険します」
◆野村道子(しずか役)「26年間、ドラえもんで一緒だった大山さん。本当に仲良くさせていただいて、大山さんと小原(乃梨子)さんと私の3人で旅行に行ったり、楽しかった思い出が沢山あります。ここ18年くらいは、大山さんの体調もあってお会いすることが出来ませんでしたが、いつも心に大山さんへの思いはありました。お亡くなりになる前に、写真でもいいから最近の大山さんに会いたかったです」
◆かかずゆみ(現在のしずか役)「そのお声を聞くと、こどもの頃のワクワクした気持ちを思い出します。長年愛されるキャラクターに育ててくださりありがとうございました。作品を引き継いだ1人として、次の世代にもしっかりと愛される作品作りにこれからも邁進して参ります」
◆野沢雅子「ペコとは初期からの声優仲間で長いお付き合いだったので、まだ実感が湧きません。スタジオで会えば『マコ~!』と元気に声をかけてくれた笑顔を昨日のことのように思い出します。寂しいけれど、あちらのみんなと集まってまた一緒にお芝居してね」
◆タレント・毒蝮三太夫さん「ドラえもんを国民的人気者に育て上げた希代の声優であり、話芸の達人だった。おしゃべり好きで物知り、無類の子ども好きだった。愛情豊かな人柄が全国の子どもたちに伝わったと思う。家族ぐるみで旅行したりマージャン卓を囲んだりして、親しくさせてもらった。昭和時代を語り合える親友がいなくなり、本当に寂しい」
◆「ドラえもん」を放送するテレビ朝日「1979年から2005年まで、26年もの長い間、『ドラえもん』の声優を務めていただきました。大山さんの優しく包み込むような声は、世界中の子どもたちの心を動かし、夢と希望を届けてくださいました。その多大なるご功績に感謝致しますとともに、ご冥福をお祈り申し上げます」