宝塚 宙組スター風色日向 バウホール初主演で熱演

 宝塚歌劇団宙組若手スター風色日向のバウホール公演初主演作「MY BLUE HEAVEN -わたしのあおぞら-」が12日、初日を迎えた。

 物語は終戦間もない横浜を舞台に、心に傷を負った人々が、澄み渡る青空に夢をはせ、力強く歩みだしていく姿を描いている。当初は3月に予定されていたが、昨年9月の宙組娘役が急死し、宙組全体の活動がストップした影響で、7カ月遅れの初日となった。

 それだけに、満を持しての主演となった風色は、立ち姿も美しい主人公の復員兵のジョーイ役を熱演。天才的なサイコロの腕を買われ、幼なじみのヤヨイと孤児を助けるために裏世界に足を踏み入れる苦悩と悲しい過去を丁寧に演じた。

 ヒロインのヤヨイ役の山吹ひばりは、心に傷を持つ女性を好演。歌声も美しく、ヒロインとしての存在感を見せた。

 宙組は6月から大劇場公演が再開されたが、ショーのみの特別公演で新人公演はなし。伸び盛りの若手生徒にとっては、厳しい状況となっていた。だが今回主演の風色は研9で、出演者も若手が中心となっている。作・演出家の齋藤吉正氏は座付きらしく、多くの役を創出。ポスターにも掲載されたライアン役の亜音有星はもちろん、大路りせ、美星帆那、奈央麗斗、今公演で退団する愛未サラら、男役・娘役を問わず、下級生にも活躍の場を与えた。

 27日まで。

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