竹中平蔵氏 東大偏重主義を批判「世界の競争の圏外」記憶力と瞬発力のみの受験「イノベーションの大きな障害」

 小泉純一郎政権で総務相などを務め、規制緩和などを先導した竹中平蔵慶大名誉教授が14日までに自身のYouTubeチャンネルを更新。東大偏重主義を批判した。

 「日本の受験勉強は非常に偏っています。記憶力と瞬発力のテストです、あれは。それに自信がある人にとっては、日本の大学入試ってそんなに難しいわけではない。従って、そういう人には東大受験には便利ということになる」と日本の入試の問題点を指摘した。

 自身は高3だった1969年に学園紛争があり、東大の入試が中止になったため、一橋大学に進学したという。高校では「東大を受けろと言われたが、当時の経済学のメッカだった一橋に行きたかった。東大入試が中止になって、兄からは『平蔵、これで安心して、行きたい大学に行けるぞ』と言われた」と当時の兄弟のやり取りを明かした。

 竹中氏は「私がハーバード大で教えている時に、当時の学長だったヘンリー・ロソウスキー教授と昼食をとる機会があった。日本の長期統計もつくったことがあり、日本に詳しい方。その人が言いました。『東京大学というのは、東京にある大学だ。それ以上の意味はない』。ハーバードのスノッブがだいぶ入っていたかもしれませんが、世界的に見るとハーバードは世界的にオックスフォード、ケンブリッジ、そしてMIT(マサチューセッツ工科大)、プリンストン…いろんなところと競争していますが、まあそういう競争の圏外に東大はあります」と世界的視野での東大の立ち位置を解説した。

 その上で「日本の中でだけ、東大神話が続いている。それ日本のいろんな意味でのイノベーションの大きな障害になっていると思う」とコメント。「明治政府が官僚をつくるときに東大法学部をつくった。国立独立行政法人に運営費交付金という補助金が出るが、割合も長年変わらない」と明治から凝り固まった大学序列を語り、「地方にもいい大学はある」とし、例として、鳥取砂丘がある鳥取大には、乾燥地研究所があり、「アフリカでは東大よりも有名」と語った。それでも「東大よりもお金が出ない。競争メカニズムが働かない」と嘆いた。「東大にも優れた人はたくさんいるが、東大を神格化して東大至上主義に陥っていることが問題。明治維新以降の官僚主義の繁栄を未だに尾を引いている」とまとめた。

 さらに日本の長者番付の1位から読み上げ、「日本で一番のお金持ち、ファーストリテイリングの柳井さんは東大でしょうか?違います。2位のソフトバンクの孫正義さんは東大でしょうか?違います…」と非・東大系が上位を占めていることを証明した。

 「東大を出た人は、それなりに頭がいいと思いますけど、東大を出た人が頭がいいとか東大至上主義みたいなもの、そこにたくさんの補助金が10年一律で出されていることで、イノベーションの一つの大きな阻害になっている」と結論づけた。

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