肺がん治療中の山川豊 脳と脊髄への転移告白「手術できないステージ4」兄に葬式相談も「馬鹿野郎!」一喝

 肺がん治療中の歌手・山川豊が19日、都内で66歳の誕生日を記念したディナーショーを開催した。現在の治療状況や体調を報告し「がんと共存しながら頑張っていきます」と宣言。詰めかけたファンを前に代表曲「アメリカ橋」など全15曲を力強く歌い上げた。

 山川は、昨年10月に肺がんが見つかったことを改めて報告し「ステージ4と言われ。頭の方にも脊髄の方にも飛んでおりまして。手術できないのがステージ4」と説明した。脳と脊髄への転移を明かし、現在は「タグリッソ」という治療薬を用いているという。「(2カ所のがんが)ずいぶん、小さくなって。副作用もありますけど、日常には差し支えのないレベル。僕は本当に楽な方で。朝は2回食事しています。3キロぐらい太りました」と、ややふっくらした顔つきで笑顔を見せた。

 肺がんが見つかった当時の動揺を回想し、兄で歌手の鳥羽一郎(72)に「『葬式はこう、お墓はこうして』って」と相談したという。鳥羽からは「馬鹿野郎!」と一喝され「とにかく治せ、どんなことをしてもいいから治せと言われました」と打ち明けた。兄の言葉に勇気づけられたと語り、この日の公演でも鳥羽への思いを込めた新曲「兄貴」を熱唱。「歌えるまでに回復しましたから。闘うぞ。負けないぞって気持ちです」と高らかに復活を宣言した。

 15日に迎えた66歳の誕生日を特大のバースデーケーキで祝福され「がんになる前は『また、年を取ったなぁ』と思ったんですが。がんになってからは年を取ることがこんなにうれしいことはない。また、来年もこうやって誕生日を迎えられるように。また皆さんの前でこうやってお話ができるように。そういう気持ちになるんですよね」と目を細めた。

 2024年は自身の肺がんを公表するなど激動の1年になったが「本当に最高の年でしたね。やっぱり歌が歌えたっていうね。ステージ4と言われた時は仕事もできない、治療のまま終わると思っていましたから。こうやって、また歌えることが本当にうれしい」と感無量。マネジャーを務める長男の木村隼也氏の方に向き直って「息子よ、どんどん、どんどん仕事を入れろ。頑張るから」と頼もしい笑みを浮かべていた。

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