元ＮＨＫの有働由美子アナウンサーが２０日、メインＭＣを務めるテレビ朝日系「有働タイムズ」に生出演。１７日に都内の自宅で死去しているのが発見された俳優・西田敏行さんの訃報を伝え、涙を流した。

　番組終盤で西田さんの訃報を特集する中、有働アナは「西田さんとは私も、お仕事を何度かご一緒してるんですけど、震災の後に復興を祈って行われた長時間の、生放送の音楽番組があって、毎年のように参加してくださったんですけども、その時に一度、ある年に歌いにいらっしゃって、足も痛くて体調も悪い中でいらっしゃってたんですけど、ステージの袖のところで体を丸くしながらちょっと痛みをこらえるような感じでいらしたんですけど…」と切り出し、感に堪えない表情ですすり上げた。

　続けて「本番ステージに行くとなったら、あの…、しゃきっとされて、あの笑顔で行かれて…」と話すと、涙をこらえられず。「西田さんって本当に印象的なのは、『ありがとう』って言葉をいつもおっしゃる方で、その時も私達が『ありがとうございます』って言ったのに、『いや、こんな長い番組の司会してくれてありがとうね』っておっしゃってくださった」と思い出を語った。

　さらに「最後に『ありがとう』を聞いたのが、よく行く焼き肉屋さんが一緒で、そこでみんなで盛り上がると、そこのオヤジがいつも西田さんに電話するんですよ。そうすると、取れなくても必ず折り返しくださって。みんな楽しいとなんか西田さんの声聞きたくなって。『本当にお忙しい中、夜分すみません』って言ったら、『いや、電話してくれてありがとうね』っておっしゃって。そのありがとうが本当に印象的なんです」としゃくり上げながらエピソードを明かした。

　また、ＮＨＫ時代にアメリカに赴任する際、直前に西田さんから贈られた色紙も披露。「目の前の人、出役だけじゃなくて裏方さんにも、少しでも楽しんでもらう、喜んでもらうことを大事にされた方で、本当に日本人の素敵なところを全部持った方だなと思いますし、そういう仕事や仕事仲間を大事にされた方だからこそ、ご家族が今どういうお気持ちかと思うと、本当にさみしいだろうと思いますね」と遺族の心境も慮った。