ピーコさん死去 21年から認知症の症状 19日に納骨 おすぎと双子オネエタレントとしても活躍
双子のタレント「おすぎとピーコ」の兄で、ファッション評論家として活躍したピーコ(本名杉浦克昭=すぎうら・かつあき)さんが9月3日、敗血症による多臓器不全のため神奈川県の病院で死去したことが20日、分かった。79歳。横浜市出身。葬儀は近親者で行った。個性的なキャラクターと辛口コメントでコメンテーターとしても人気があった。認知症を発症し、昨年から施設で生活していた。
双子のオネエタレントとして活躍し、愛情たっぷりにファッションを斬っていたピーコさんが静かに世を去った。
関係者によると、9月8日に親族で葬儀を行い、今月19日に四十九日を迎え、納骨を終えたという。2021年から認知症の症状が見られるようになり、昨年、正式に認知症と診断され、同年6月に施設に入所。関係者は「近年は仕事ができる状態ではなかった」と説明した。
ピーコさんは高校卒業後、アパレルメーカー勤務を経て専門学校に進み、服飾デザイナーになった。衣装制作などを手がけたことで芸能界と関わりを持つようになり、1975年、弟で映画評論家のおすぎと共に「おすぎとピーコ」としてタレント活動を開始した。
数々のワイドショー、情報番組などで、一般人、芸能人を問わず時にはバッサリ斬り捨てる「辛口ファッションチェック」は人気を博した。辛口ながらも温かみを感じさせるコメントがウケて、「笑っていいとも!」などバラエティー番組でも毒舌キャラとして活躍した。
ファッションだけでなく、歯に衣着せぬトークは人気でTOKYO MX「5時に夢中!」では辛口コメンテーターとしても活躍。MBSテレビの情報番組「ちちんぷいぷい」でも21年の最終回まで約15年間コメンテーターを務めた。また、同年にワダエミさんが米アカデミー賞衣装デザイン賞を受賞した際には服飾評論家としてコメントを発表していた。
同性愛者であることを公言。1989年には左目に皮膚がんの一種が見つかり、摘出した。その後は義眼を入れてサングラスをかけてテレビ出演などを続けた。著書の「ピーコ伝」では「わたしの場合、がん手術のあとは余生。そう思って毎日毎日すごせることをありがたく感じながら生きています」と人生観をつづっていた。
2004年にはアルバム「“恋は一日のように”ピーコ シャンソンを歌う」でCDデビュー。シャンソン歌手としても活動していた。
弟のおすぎもピーコさんと同時期から認知症を発症し施設に入所。現在も施設で療養中という。