吉本・岡本社長「ドキュメンタル」世界的ヒットに感慨「松本人志という類いまれなる才能の持ち主が」
吉本興業が21日にフランス・カンヌで始まった世界最大級のテレビ・映像コンテンツの国際流通マーケット「MIPCOM2024」にブース出展を実施。同日行われた、基調講演では吉本興業ホールディングスの岡本昭彦社長が、Amazon MGMStudiosのインターナショナル・オリジナル責任者ジェームズ・ファレル氏とともに登壇した。
2人は、Amazonプライムビデオが「LOL: Last One Laughing」(LOL)のタイトルで世界25以上の国と地域で配信している、ダウンタウン・松本人志が企画・プロデュースした「ドキュメンタル」の制作のきっかけや成功の理由などを語り合った。
壇上では、16年の日本配信から「LOL」のフォーマットが、近年最も急速に広がったフォーマットかつプライムビデオで最も視聴されたタイトルとなったことが紹介された。岡本社長は20年にジェームズ氏からフォーマット買い取りの提案があったとし「甘い誘惑に乗っかかりかけたが、社員に反対され、売却を取りやめた。その結果、MIPCOMにご招待いただき、この場に立てている」と冗談混じりにあいさつした。
吉本との連携のきっかけを問われたジェームズ氏は日本でのバラエティー人気に注目していたとして「岡本社長をはじめ、吉本のメンバーに何度も会う中、吉本からドキュメンタルのアイデアが出てきた。これは絶対にヒットすると直感しました」と説明した。
岡本社長も「(プライムビデオが)日本で開始される時、われわれのコンテンツが世界に届くのではないか、世界の人に楽しんでもらえるのではないかと考え企画を提案した」と続けた。そして「松本人志という類いまれなる才能の持ち主が考えたアイデアが世界に広まったのは大変喜ばしい」と感慨深げに語った。
司会者から「LOLとほかのコメディーの違い」を問われると岡本社長は「もともと世界の人に楽しんでもらうことをコンセプトに企画を作ってもらった」とした上で「松本人志をはじめ、スタッフの力が発揮されたものと思っている。各国のプロデューサーの方々が各国の笑いの文化を踏まえながら、裁量を持ってシンプルに作ってもらったことが成功の理由と思う」ときっぱり。
これにジェームズ氏は「日本の最初のシーズンを制作するのは非常に大変だったが、その自由なフォーマットの成功を信じていた。それは海外での展開にもつながることで、各地でローカライズされて番組が成長していくというのは非常に珍しいこと。今後も吉本と一緒にやっていきたい」と信頼を口にしていた。