楳図かずおさん「まことちゃんハウス」 法廷闘争まで発展
「漂流教室」や「まことちゃん」などで知られ、ホラーやギャグ漫画の新たな世界を切り開いた漫画家の楳図かずお(本名楳図一雄=うめず・かずお)さんが10月28日、胃がんのため都内で死去していたことが5日、分かった。88歳。和歌山県生まれ、奈良県育ち。葬儀は関係者で行った。赤と白のボーダーシャツがトレードマークで、テレビ番組にも出演。強烈な個性を放つその姿は、多くの人に愛された。
楳図さんが暮らした東京・武蔵野市の自宅は「まことちゃんハウス」として知られた。
外壁は着用している服と同じ赤と白の横縞模様で、自らの人気キャラクター「マッチョマン」の目をイメージしたという丸い2つの窓のついた赤い煙突が印象的。ただ、この景観を巡っては法廷闘争まで発展した。建設中の2007年に近隣住民2人が「景観破壊だ」と外壁の撤去を求めて東京地裁に提訴。芸能人が擁護するなど大きな注目を集めた。地裁は09年1月に「景観の調和を乱すとまでは認められない」と請求を棄却。楳図さんは「少し早く春を感じさせていただいた」とコメントしていた。